第一部:ゲート 開けり
第三偵察隊 初遭遇する
[8/19]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
武装しており、少なくとも向かって来る連中相手には何とか火力の差で持ちこたえることが出来そうだ。何せ連中の装備は中世ヨーロッパの軍勢と同じレベルで、彼の生前では飽きるほど見慣れた代物だからだ。ちなみにここまで飛んできたMi-17は少し離れた場所に存在する広い空き地に止めており、なるべく攻撃に巻き込まれないようにしている。
そして彼らも射撃準備を済ませて展開した時点で、向かって来る連中の全容が見えてきた。先ほど伝えに来てくれたエルフ曰く、最近異世界の軍勢に占拠されたアルヌスの門近辺の人間族の村、コダ村に行商で訪れて帰るときに遠くの方で人間を襲っている謎の武装集団を発見し、
彼らに見つかり矢を射かけられたので慌てて買った商品をも放り出して逃亡して、何とか道のりを追跡できないように遠回りしてから森に入り報告したのだ。
そしてその連中の姿は、全身に銀色または灰色の鎧を身に纏っており、姿形から判断して明らかに人間が一人も混じっていないのが分かる。
実際オークやウルク=ハイなど人類に敵対的な怪物ばっかりで、人間よりも身体能力は優れているので接近戦ではかなり不利になるだろう。
奴らは黒王植民地軍に所属するオークの部隊(ごく僅かにウルク=ハイが混じっている)で、その数は2個中隊-800体で構成されている。
装備はこの世界の文化レベルに合わせて槍や斧などで、銃火器の類は手榴弾ぐらいしかもっていない。そして狼モンスターであるワーグに指揮官が搭乗する以外は全員徒歩で行動しているので、馬に乗って逃げた敵の追跡などは向いていない。奴らが何故この辺りに出没したのかというと、ロビンと同じくコアンの森のエルフに用があり、
この森のエルフたちが自由の民に合流する前に殲滅する事で、これ以上の戦力増加を防ぐ目的で送り込まれたのだ。
ちゃんと上空にワイバーンの群れを待機させてエルフたちの動向を探るべく監視任務に就けさせ、
同時に近接航空支援よろしく上空から援護を行えるように展開させ、自分たちは目的の森の周囲を円陣を組むように囲み、こうして包囲網は完成した。さぁ、
後はゆっくりと前進して包囲網を狭めて包囲殲滅するだけである。オーク達は隊列を組んでゆっくりと歩き、森からの不意打ちを警戒しながら歩んでいく。
ザッ
ザッ
ザッ
一歩二歩と盾を構えたオークを先頭に、
隊列はゆっくりと着実に進んで行く。
やがて森に足を踏み入れるかという所で、ようやく森側に動きが見受けられた。
ホドリューとロビンの二人が森の中からにょきっと現れ、
敵意満々の彼らに一応対話を試みたのだ。だが、ある意味当然だが最初から殲滅する気満々のオークたちはそれを丸っきり無視し、挨拶代わりに弓矢の雨を降らそうとボウガン兵がボウガン(弩)を構えた瞬間だった。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ