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ゲート 代行者かく戦えり
第一部:ゲート 開けり
第三偵察隊 初遭遇する
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アハハハ


何時の間にか村長の家の土間では、真面目な会合からロビンが持ち込んだ酒によって宴会が開催されていた。既に幾人ものエルフが酔いつぶれて沈黙しており、
酒に強い連中は自前の酒やおつまみ等を自宅から持ち込んで更に摂取するなど、
この空間は実に混沌とした雰囲気へと突入している。先ほどまでの緊迫した雰囲気はすっかり消え去り、もはや居酒屋などで開催される飲み会と化している。


そして今ロビンと一緒に話し込んで盛り上がっているエルフは、「ホドリュー・レイ・マルソー」という精霊種エルフ(ハイエルフ)の男性で、元来、非常に保守的かつ閉鎖的な精霊種エルフにあって、一族の中でも進歩的な考えの持ち主だが、その一方で大変な好色家であり、
いつも一人娘の「テュカ・ルナ・マルソー」に大変苦労を掛けている駄目親でもある。こうした性格なので他のエルフよりも親しみを持ちやすく、更にその女好きな側面を突いて彼はホドリューを「自由の民」へ入るよう、まるで駅前などに居る居酒屋の店員や宗教の人間の様に熱心な誘いを行っている。


「もぉ〜、お父さんってば飲みすぎ!
全くまだ日が高いうちにこんなに飲んでどうするの?私が居ないとほんと駄目なんだからもう」


そうやって飲みながら会話していると、
一人の若い女性のエルフが横から割り込んで来てホドリューの手から酒瓶を没収し、くどくどとまるで親または妻の様に叱りだしたので、
ロビンは(このお嬢さんは彼の娘かな?
確か一人娘が居ると聞いていたが)と内心そう思いながらも、彼を援護する為に彼女に話しかける。


トントン


「もしもしお嬢さん、そこらへんで勘弁してもらいませんかね?たまにはお父さんの好きなように飲ませるのも、良い女の条件の一つだよ」


「でもでも、お父さんは酔っ払うと周りにいる女性に手を出そうとするんです。
なので飲み過ぎないようしっかりと管理しないといけないんです。亡きお母さんとの約束でもあるので、こればっかりは譲れません!」


肩を叩いてこちらに注意を逸らすと彼女はくるりと振り向いて、最初は「一体誰よ!?」と言わんばかりに少し険のある険しい表情を浮かべていたがロビンの顔を確認すると直ぐにその表情を穏やかなものに変え、やんわりとその説得に対する反論を述べて彼に叱る必要性を納得させようとしてくる。


実際彼女=テュカ・ルナ・マルソーにとって、この実の父親はかなり娘としては困った側面のある大人で、いつも何かと気にかけていないとどんな問題行動を行うか分かったものでは無かった。確かに尊敬できるポイントは多々あるが、それとこれとは話は別だ。なので例え相手が立場が上と思わしき客人だとしても、
父親の行動を戒める事の邪魔はされたくないと思っていたので、ついこのよ
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