世界のビール飲み比べ・2
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「さーて、さて。海外のビールもいいが、ぶっちゃけた話俺は日本のビールは世界に誇れる物だと思ってる。」
日本のビールは世界的に見るとあまり好まれる傾向にない。副原料が多く、ドイツやイギリスなんかの本場のラガーやエールに比べると味の濃厚さやコク、香りの強さ等を比べるとやはり見劣りしてしまう。
「そうだね、ボクらもこの鎮守府に来て日本のビールを飲んだ時には味がしないと思ったよ。」
レーベがそういう隣ではマックスもウンウン、と頷いている。
「まぁな、本場のラガーに慣れきったお前らの舌だとそう感じて当たり前だ。…けどな、あの日本のビールの味はちゃんと計算しつくされて作られているんだよ。」
日本のビール4大メーカー、アサヒ・サッポロ・キリン・サントリー。ビール好きが飲み比べれば差は一目瞭然だが、あまりビールが好きではない人から言わせるとどれも大差ない味に感じるという。これは何故か?それは、『大半の日本人が好む味』にどのメーカーも仕上げているからだ。
曰く、
・さっぱりとしていて
・喉ごし爽やかで
・長時間大量に飲んでも飽きが来ず
・水やお茶の様にガブガブ飲める
これが日本人が好むビールの味だ。だが、それよりも大前提にあるのは『料理の供として主張しすぎない』事。これに尽きる。
「どういう意味だ?アトミラール。」
「んじゃ、今ちょっとした肴を用意するから、それとそのウルケルを合わせてみな。ビックリするぜ?」
俺が用意していたのは鶏の水炊き。日本の料理をイメージさせやすい、繊細な味付けの料理だ。
「さ、コイツとウルケルを合わせてみな。」
「これはナー・ヴェーか?アカギ達と食べた時とは具材が違うようだが……」
「鍋料理ってのは具材が幅広いからな。……さぁ、冷めない内に食ってくれ。」
「そうだな、では頂こう。」
少し箸の扱いに手こずりながらも、鶏肉をつまみ上げて口に運ぶ。
「とても優しい味だ。鶏の本来の味と、スープの味が上手く溶け合っている。」
「そこにウルケルを飲んでみな?」
促されるままにウルケルを煽るグラーフ。途端に顔が渋面に変わる。
「ア、アトミラール……済まない。この組み合わせはあまり良くないようだ。」
そう、本場の濃厚なラガーやエールでは、料理の供として合わせるには濃すぎるのだ。
海外の映画などにたまに出てくるパブやバーなどのシーンでは、料理の皿はほとんど出てこない。せいぜいナッツやソーセージ等のシンプルなツマミだけだ。海外の酒場というのは『酒を楽しむ』為の場所であり、酒そのものの味や個性が強いラガーやエールには、そもそもツマミを必要としない。
逆に、日本の居酒屋に代表される
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