第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#38
星魔の絶戦 千変VS星の白金Y〜Desolation Crisis “Beelzebub”〜
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韻も無く消えていく刃群、
湿った通路に生々しい鮮血が裏口の二段階段まで飛び散っていた。
すぐ傍に放置された、開きっぱなしのマンホールの蓋。
地下に続く暗闇に周囲の “千眼” が殺到する。
(小賢しい……ただ潜むのではなく 「保険」 をかけていたか……
イヤ、 “抜け目無い” と言い換えよう……
一種のイメージでこの男を捉える事は出来ない……)
錯綜した地下水路を多重認識しながら思考を巡らせる雷獣。
『スタンド使い』 に明確な 「使命」 など無ければ、
王の名と共に授けられる 「称号」 も存在しない。
異能の主体はあくまで本人、 “人間そのもの” だ。
故にその戦闘思考は日々の生活に密着しており、
コレが紅世の徒のような超常者には非常に読み辛い。
当然と言えば当然の話、駅前の植え込みが変わった事や
個人レストランの手書きメニューが昨日と違う事など、
王はいちいち気に止めない。
しかし日常のほんの些細な事にも関心を払い配慮を怠らない事が、
「地の利」 を活かすコトに繋がり戦闘の選択肢を広げるコトに繋がるのだ。
ゴトゴトと開く十字路の蓋。
周囲の千眼が反応するより速く飛び出す二つの影。
「やれやれ、何かと、 “水” に縁がある日だ、今日は」
千の視線が存在を刺す路上の直中で、
背に裂傷を負った無頼の貴公子が学帽を抓んだ。
先刻の機転、スタンドの聴覚が捉えたコンクリートの貫突音、
本体の研ぎ澄まされた野生の勘、双方が瞬時に折り混ざって
意識より疾く身体を動かした。
遮蔽物の多い場所で 「長物」 は役に立たないが
紅世の超宝具 『神鉄如意』 はこの定跡に当て嵌まらない。
しかしどんな強力な武器であろうと、
対象を破壊しようとすれば必ず 「音」 はする。
それは刹那の一刻、瞬きにも充たない時の随であるが
比類なきスピードと精密性を持つスタンド、
『星 の 白 金』 ならばその秒速の世界にも対応出来る。
時が加速しているのでもない限り、時間が逆行しているのでもない限り。
派手な乱 撃に眩み意外と忘れがちだが、
スタンド、スタープラチナの真髄はパワーではなく 『スピード』
“速さは質量”
技を超えた純粋な強さ、ソレを更に特化させた能力なのだ。
パワーの総量は圧倒的にシュドナイ、
しかしスピードの特性を活かして承太郎は
紅世の超宝具 『神鉄如意』 にいま立ち向かう!
グ・ギ・ン゛ッッッッッッッ!!!!!!!
息を整える暇もなく、雷獣の剛槍はその顕力を剥き出しにした。
承太郎の前方、だが視界に留まる事のないその全貌。
元の大きさを完全無
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