暁 〜小説投稿サイト〜
ペルソナ4〜覚醒のゼロの力〜
4/11 堂島家へ
[4/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
だからな。

菜々子ちゃんの顔が見る見るうちに紅くなると、叔父さんの腰に顔を押し付け顔を隠してしまった。

「ははっ。こいつ、本当に照れてやがる」

叔父さんがまた茶化すものだから、菜々子ちゃんは再び叔父さんを叩いた。

「さぁて、じゃ行くか。車、こっちだ」

叔父さんは踵を返すと、菜々子ちゃんを伴って歩いて行く。

「…ねえ」

俺も後に続こうとした時、急に声を掛けられた。

振り向くとそこには、紅のチョーカーに黒のネクタイ、チェックのミニスカートに白と黒のハイニーソックスを穿いた可愛い女の子だった。

田舎にはそぐわない雰囲気を持った子だな。

だが、可愛い!って、マリーか!

出たな、ツンデレ!

「落ちたよ、これ」

彼女が差し出してくれたのは、念のために持って来ていた堂島家の住所が書かれたメモだった。

落ちてたか。

「ありがとう」
「別にいい。拾っただけだから」

それ以上は何も言わずに、少女は立ち去ってしまった。

また、そのうち会うでしょ。

「おーい、どうした」

彼女と話していて時間を掛け過ぎたようだ。

叔父さんに呼ばれ、俺は急ぎ足で車へと向かった。

「菜々子、シートベルトは締めたか?」
「うん」
「よし。じゃあ行くぞ」

叔父さんはアクセルを踏んで車を発進させると、家に向けて出発した。

叔父さんの家までの道中、俺は窓から見える街の風景を眺める。

車の通りも多くなく、人も多いわけではない。

「…東京とは大違いだな」
「お前の住んでた都会と違って、ここは静かだろ?お前にしたら、調子狂うんじゃないか?」
「そうでもないですよ。東京は騒がしいくらいです。こういう街の方が、俺には合っているかもしれません」
「ははっ、そうか」

紛れもない、俺の本心。俺は騒がしいのは嫌いだから、静かな方が好きだ。

それに、人が多いところも嫌いだ。

「お父さん、トイレ行きたい」
「何?…家まで我慢できないか?」
「うん」
「叔父さん、あそこにガソリンスタンドがあるけど」
「そうだな。ガソリンも半分を切ってたし、丁度良いか」

叔父さんはガソリンスタンドへと入ると、入れ違いで1台の車が出るところだった。

車には、【いなば急便】と書かれていた。

「らっしゃーせー」

車を停めると、すぐに店員が威勢のいい声を上げながら近付いていくる。

「トイレ、1人で行けるか?」
「うん」

叔父さんの問いに菜々子ちゃんは頷くと、2人は同時に車から降りた。

その話を聞いていたのか、店員がトイレの場所は左側だと教える。

箸を持たない方だというその言葉に、菜々子ちゃんはちょっと怒った口調で返すと、トイレ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ