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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第242話 ボス第2戦目
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、別に驚く事は無いのだが……、直ぐに、前言撤回する事になる。

 その回る呪文は、通常よりも遥かに高く――このボス部屋前の回廊の高い天井に届きかねない程高く伸びていったのだから。

「なななっ!!! なに?? なにっ??」

 最初こそ黙ってみていたユウキだったが、こればかりは想定外だった為、やや大袈裟だと思われるかもしれないが、両手をめいいっぱい上げて、驚きを身体で表現していた。
 ほかの皆は、我が目を疑うが如く、大きく見開いていた。
 慣れているアスナとレイナは、ただただ笑っていた。

 そして、通常のよりも遥かに長い詠唱を終えたと同時に、この回廊の横幅いっぱいに光のカーテンの様なモノが、降りてきたのだ。……先ほどから、隠れているあの連中と自分達の間に壁を作る様に。

「よし、終わった」

 すべてを終えたリュウキは、くるっ と腕を回すと皆に合流する。
 驚いていたメンバー達はなかなか返事を返す事が出来なかったが、見た事が当然あるレイナやアスナは やっぱりいつも通り。でも、使用した理由が気になった様だ。アスナが一歩前に出て疑問を聞いた。

「リュウキ君。アレって、聖の属性魔法。防護系、実装された中でも最上位魔法の《フォース・シールド》だよね?? 今ここでする必要ってあったの? リュウキ君。確かアレしちゃうと、他の魔法が効力が続く限り、使えなくなっちゃうんだったと思うけど……。 ボス戦で、魔法はどうするの? まぁ、リュウキ君なら 剣だけでも十分だし、私やシウネー、レイがいるから、補助系の魔法は十分だと思うけど……」

 リュウキが使用した魔法は、リスクはあるものの、それに補って余りある効力を秘めている。それは、約30分もの間、如何なるモノも通さない無敵の盾。

 《イージス》

 そうとも呼ばれている堅牢な盾。……盾だと呼ばれているのに、攻撃的じゃない印象があると言うのに、それはそれは、一部では凶悪で有名だったりするのだ。攻撃を通さないのは勿論であり、魔法の類も一切遮断する。云わば絶対防御魔法。
 物理攻撃も勿論通じなない。
 
 でも、リスクの1つ効力の難点を挙げるとするなら、発動してしまえば、その堅牢な盾は、敵味方問わず、通れなくさせてしまう、と言う点だ。 故にもしも 発動した時に、反対側に残ってしまっていたら、取り残されてしまう。
 そして、もう1つ、その魔法習得条件自体が恐ろしく高難易度だという事。《根源元素》の魔法と対を成すとも言われており、現サーバーに習得出来ている人数は、片手で数えても余る程度だ。

「まぁ、あまり良い趣味をしている、とは言えない連中だった様だからな。……対処しただけだよ。それに、今回は初見で様子見。つまりはその次、第二戦目が本番だろう? 魔法は次に取っておくよ」

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