第43話『災厄』
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の前にいたのは、金髪の少女だった。顔こそ智乃と瓜二つだが全くの別人である。
しかし晴登はその事実を察してもなお、その少女の元へ飛び込んだ。
少女が・・・恐怖で涙を流していたから。
「グルッ…?」
突然の獲物の増加に、戸惑いを見せるウォルエナ。
それもそうだ。わざわざ輪の中に飛び込むなど、バカ以外ありえない。
「絶対に…見捨てない」
智乃ではない。それがわかれば一段落。
だったらその後は、この少女を守ることに決めた。自分の妹と似た顔をした人物が喰われるなんて、想像するだけでも気分が悪いのだ。
少女を庇うように立ち、努めて全てのウォルエナに隙を見せないようにする。
全部で4頭。輪に入るのは容易だったが、出るのは困難だろう。
であれば、必然的に戦わなければならない。が、1人で4頭を相手など、無謀にも程がある。勝率・・・もとい、生存率は絶望的。
けど、後悔はしていない。
「…やってやるよ」
この娘がどんな経緯でここに逃げ込み、襲われたのは知らない。
でも、囲まれて今にも喰われそう。それが見てとれた時点で、見捨てるなんてできる訳がない。
晴登の戦う気を察したのか、ウォルエナは唸りを上げ始める。完全に臨戦体制だ。
「おにぃちゃん…」
刹那、足元から声が聞こえた。幼く、可愛い声だ。声質まで智乃とそっくりとか、反則だろこの世界。
…こんな弱々しい少女を放っておける訳がない。
晴登は大きく深呼吸し、そして・・・
「この娘には、指一本触れさせねぇよ!!」
最後に上げた晴登の怒号を合図に、晴登を殺さんとウォルエナが動いた。
そして、ある人物も動いた。
「いい啖呵だ。気に入ったぜ、ガキ」
突如として降ってきた衝撃。
それはウォルエナは愚か、晴登たちも吹き飛ばす。
壁に背中を打ちつけ、晴登は悲痛な声を洩らした。だが、腕に抱いていた少女は無傷。ただ、今の衝撃で気を失ったようだ。
そして晴登は、何事かと前を見る。砂やら埃やらが舞い、視界が悪い。誰かの声が聞こえて、何かが降ってきたというところまでは分かったが・・・
「無事か? ガキ共」
「へ!?」
突然に耳元から聞こえた声。晴登は驚いて飛び退き、尻餅をつく。
目の前にいたのは男性。屈んでいるからよく分からないが、かなり長身だと思われる。また、燃えるような赤い髪色をしていた。
「あなたは…?」
異世界感丸出しな容姿の彼に、晴登は名前を問う。
すると彼はその質問が面白かったのか、豪快に笑い出した。
そんな男性を晴登は怪訝そうに見ると、男性は笑いを止め、
「俺を知らないってことはお前よそもんだな? 不幸
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