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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百二十五話 余波
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ためなんだそうだ。アラルコン少将は自力では撤退できないくらい劣勢らしい。自分で喧嘩を売っていてやられてるなんて、情けない奴、主戦派だって言ってたけど本当なのかな?

政府は帝国側にはあくまで味方を収容するのが目的だと伝えたらしい。帝国側は最初は納得しなかったらしいけど、最後は認めたらしい。もっともルフェーブル中将がアラルコン少将を収容する前に彼の艦隊は壊滅しちゃうんじゃないか、って皆が言っている。

帝国軍の指揮官の名前もわかった。ハルバーシュタット大将、黒色槍騎兵という艦隊の副司令官らしい。司令官はビッテンフェルト上級大将、シャンタウ星域の会戦でも活躍した提督でパエッタ元帥の艦隊はあっという間に粉砕された。

今回戦ったのは部下のハルバーシュタット大将だけどそれでも帝国屈指の精鋭部隊だ。アラルコン少将は何を考えていたのだろう? 負けても戦争がしたかったのだろうか? 本当はただのバカなんじゃないの、アラルコン少将って。

皆怒っている、これが原因で戦争になったら捕虜交換が取りやめになってしまう。彼らが帰ってくるのを待っている人が居るのにそれを無視するなんて、アラルコン少将なんて思いっきりやられてしまえばいいんだと言ってる人もいる。

政府も軍の上層部も今回の件ではアラルコン少将を厳しく非難している。もしこれが原因で捕虜交換が無くなったら、捕虜の家族に八つ裂きにされるだろう。戦死したほうが彼のためだってアナウンサーが言っていた。ちょっと酷い言い方だけど八つ裂きって言うのは大袈裟じゃない、僕の周りでも同じようなことを言ってる人が居る。

夜遅くなって戦闘が終結したことが分かった。帝国軍はルフェーブル中将が戦場に着くまでに撤退したそうだ。ただしアラルコン少将の艦隊はかなりの損害を受けたらしい。ニュースではアラルコン少将は帝国軍からキツイお仕置きを受けた、と言っていた。情けない奴だ。どうやら今回の件はヴァレンシュタイン元帥は関係ないみたいだ、多分アラルコン少将が馬鹿なだけなんだろう、本当に情けない奴だ。

八月十八日

今日、フェザーンで帝国、同盟両国の高等弁務官による共同会見が有った。内容は先日の軍事衝突が同盟と帝国の関係を悪化させるものではないと言うことだった。あれはアラルコン少将個人の愚かな行為で同盟政府の悪意ある挑発では無いとなったようだ。

捕虜交換が行われることが改めて発表された。今回の戦闘は馬鹿げたことだけれど捕虜交換の実施が改めて確認されたことは良いことだと皆が言っている。僕もそう思う、今回の戦闘の唯一の収穫だ。

会見はちょっと面白くなかった。オリベイラ弁務官はちょっと気まり悪げだった。気持は分かる、僕だってオリベイラ弁務官の立場だったら決まりが悪いよ。それに比べてレムシャイド伯は余裕だった。内乱前に有った
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