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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十二話 久しぶりの休暇です。
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にいったとき、ヤン・ウェンリーと初めて会ったのよね?」
アルフレートはうなずいた。ウィトゲンシュティン中将が何があったのかを委細漏らさず話してくれたのはだいぶ後になってからだったが、その時は中将が病気か何かになったのではないかと思い、二人はそちらの方に気を取られて、満足にヤン・ウェンリーの容姿を見ることもできなかった。かすかに覚えているのは介抱する3人(この二人とフレデリカである。)を前にしていささか頼りなさそうに頭を掻く青年であったことだけである。
「もうずいぶん前の事のように思えるけれど・・・覚えてる?私たちがまだ帝国にいた頃、エル・ファシルの会戦があったこと。」
アルフレートは無言でうなずいた。今もまだまだ未熟者であるが、あの時はそれに輪をかけて世間知らずであったことを思いだす。今思い返しても顔から火が出るほどだ。
「私たちってホント身勝手だよね。あの時は『絶対ヤン・ウェンリーを潰す!!』・・・って思ってたのに、今は手のひら返したみたいにヤン・ウェンリーを頼るんだから。あなたはまだ軍属としてその場にいたからいいけれど、私なんかつくづく自分が嫌になるわよ。」
どうしようもない厚かましい性格よね、とカロリーネ皇女殿下がアルフレートから視線を外して自嘲気味につぶやいた。
「あの時と今とではおかれている立場が変わりました。こんなことになることをあの時の僕たちが予測できたと思いますか?」
「予測できようができまいが、やってしまったことは変えられない。過去は変えられないでしょ?」
「そうです。あのことは今でも思い出すとぞっとします。過去は変えられない。それはよくわかっていますよ。だからこそ、未来を変える・・・・いいえ、未来を切り開いてみませんか?自由惑星同盟が滅亡するという既定路線を変えてみませんか?」
カロリーネ皇女殿下が目を見開いてアルフレートを見た。
「信じらんないことを言うわね。非力な私たちだけでそんなことができると本気で思ってるの?」
「私たちだけでは無理だと思います。ですが、帝国にラインハルトがいるのと同様、自由惑星同盟にもヤン・ウェンリーがいるじゃないですか。」
カロリーネ皇女殿下はその端正な顔を俯けて考え込んでいたが、また顔を上げてアルフレートに問いかけた。
「あの人ならば、奇跡を起こしてくれるかな、ミラクル・ヤンは。」
素直な、そして思いのこもった質問だった。私のことをあの人は好きでいてくれているのかな、というような調子で聞いたのである。
「ここまでの歴史はだいぶ違いますから、バタフライエフェクトがあっても仕方がないと思います。ですが、そう簡単にミラクル・ヤンが劣化するとも思えませんよ。あの人は不敗の名将ですし、なんといっても主人公の一人ですから。」
「劣化だなんて、随分な言い方。」
カロリーネ皇女殿下は笑った。
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