暁 〜小説投稿サイト〜
ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十二話 久しぶりの休暇です。
[6/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ティファニーだけでなく、アンジェの驚きの声も交じっていた。
「そうよ。例のイーリス作戦を発動する時期が近付いているわ。帝国軍の大規模な侵攻を誘発させ、もって同盟領内で悉く宇宙の塵にしてくれるのよ。」
シャロンは微笑を浮かべた。
「まぁ、之には支持率が肝要だから、さしあたって戦場予定宙域付近及び両回廊付近の有人惑星にいる同盟市民はすべて立ち退かせる必要があるけれど。」
『そんなことを軍の上層部、政治家、経済界、そして他ならぬ同盟市民が納得するでしょうか?』
「欲しがりません、勝つまでは。」
シャロンが遠い昔の日本とやらの標語を持ち出したので、3人はびっくりしたように黙ってしまった。
「同盟市民や政治家に聞いてみたいものだわ。帝国に対して『悪の権化。』『貴族の専制政治から民衆を解放する自由の旗』『民主主義は尊いもの』などと声高に叫んでいるあなた方ならば、故郷や財産を捨てて崇高な大義とやらを完遂させるのに何のためらいがありますか、と。」
シャロンの微笑が深まった。
「反対できるかしらね?無理でしょうね。帝国領内への侵攻などというものは、経済的にも重税を課すことになり、莫大な補給物資を食うものになるけれど、迎撃作戦ならば、艦隊の燃料、補給物資、そのほか諸々は数千光年先に遠征するよりも安くつくはずよ。何よりも原作の帝国領侵攻であったように帝国領民を食べさせる分を考えなくても済む。損害と言えばせいぜいあなたたち市民の財産だけ。それも崇高な目的のために寄付をするのだから、本望でしょうと言ってやればいいのだわ。アーレ・ハイネセンやグエン・キム・ホアが地下で泣いて喜んでいます、とも。」
クックック、という笑いが今にもシャロンの唇から漏れ出してきそうだ。
「私は同盟市民が幾千、幾万飢えようが死のうが知ったことではないわ。私の目的が達成できれば、それでいいのだから。」
『閣下のおっしゃる通りです。どうせこの国の政治家、経済界の連中とて我関せずなどと、そう言った考えを持っている者が多いのですから。』
アンジェがきっぱりとした口ぶりで言った。
「カトレーナ。」
『はい、閣下。』
カトレーナが微笑んだ。
「イーリス作戦を自由惑星同盟総力を挙げた迎撃作戦として裁可させるよう、経済界、政治派閥、各地方主要都市惑星に働きかけなさい。反対は許さない。一人たりとも許さない。その気概を持って働きかけるように。あなたの手腕に期待するわ。」
『了解いたしましたわ。』
「アンジェ。」
『はい。』
「あなたには引き続き『大掃除』をやってもらうわ。イーリス作戦発動に表立って反対しそうな政治家、経済界、軍上層部の連中の処理リストを作成しておくこと。出来上がり次第私に見せて頂戴。」
アンジェはうなずいた。この場合のシャロンの「処理リスト」とは文字通りの意味であり、すな
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ