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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
三十一話 刹那の妙技
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クレヴァー・レイリ― DAMAGE4680 LIFE 6090

撃ちあがり開けた空を見上げる羽目になる彼の視界に、既に拳を引き絞ったクラナの姿が移った。

「(防、御……!)」
[Protection]
殆ど使うことはないと思っていた防御魔法(プロテクション)しかし、この空中なら予選に使っていた防御破壊連撃(ストームトゥース)は使えないはずだ。そう考えての咄嗟の判断。だが……

「一掌、撃滅!!」
彼が魔法戦を鍛え続けてきたように、その程度で止められるような拳は、生憎とクラナには持ち合わせがない。

[Firing!]
「パイル・ブロウ!!」
打ち付けられた拳の先端から瞬間的に、クラナの魔力で生成した「魔力の杭」が打ち出される。本来地面に足を踏ん張ることで反動を抑え込むそれを、拳を中心に垂直に体を立て、全体重を乗せることで為した一撃。それは即座に防御魔法を突破し、地面と拳の間に挟まれたクレヴァーに、拳の威力をダイレクトに伝えた。

「…………!」
一瞬、まるで見果てぬ夢をつかもうとするように、虚空に向けてクレヴァーは手を伸ばす。しかしそれはパタリと、地面に落ち、彼の完全な気絶を伝えた。

「……っ」
ゆっくりと拳を持ち上げたクラナが、それを、天空に向けて振り上げた。

クレヴァー・レイリ― DAMAGE 6190 LIFE 0

IM男子の部 地区予選大会 予選エリートクラス 第四組第一回戦 試合終了
勝者:クラナ・ディリフス・タカマチ
試合時間 2R 3分4秒
FB(フィニッシュブロー):パイル・ブロウ(魔力付与貫通打撃)

「[き……]」
歓声が、爆発する。

「[決まっ、たああああぁぁぁぁぁ!!クラナ・ディリフス選手、劣勢からまさかの1ラッシュK.O!!ピンチを完全に覆し、最後の最後に勝利をもぎ取りましたぁ!!]」
一瞬の出来事に沸く歓声の仲、小さな少女たちが互いに手を取り合う

「やった、やったあっ!!」
「クラナ先輩、凄いです!!」
ピョンピョンと飛び跳ねるリオとコロナの脇で、ヴィヴィオは放心したようにリングを見つめていた。

「ヴィヴィオさん」
「へっ、あ、はい!」
「やりましたね、貴方のお兄さんの勝利です」
「あ……よ……よかったぁ」
緊張が解けたようにへなへなと力を抜くヴィヴィオに、アインハルトは慌てたようにわたふたとし始めた。

「だ、大丈夫ですか?」
「は、はいごめんなさい……ただちょっと、凄く緊張してたみたいで……凄い試合だったから……」
「……えぇ、本当に」
コクリとうなづいて同意しながら、アインハルトはリングを見る。と、視界の端に、黙ってリングを見つめるライノの姿が移った……

「……?ライノさん?」
「ん?あぁ……そうだ
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