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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
三十一話 刹那の妙技
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いわ?」
自分の顔をパタパタと仰ぐジークに、ヴィクターが首を傾げる、自分でもその事に動揺しているようで、ジークはどういったらいいのカ分からないというような顔をしていった。

「うーん、その、ウチ、男の子の友達とか、殆どいてへんから……」
「そうね?……それで……」
「うん、その……よーく考えてみぃひんでも、ウチ、男の子とあんな近くで目ぇ合わせるの、初めてやってんな……それでちょっと、ドキドキして……」
びっくりしたわ〜と目を細めながらはふぅと顔を仰ぐジークに、ヴィクターは思わず噴き出した。

「……ふふっ!」
「あ、ヴィクター笑った!!」
「ご、ごめんなさい……でも……ジークったら……」
「え、ウチそんなに変な事いうたん……!?」
笑い続けるヴィクトーリアに尋ねながら、ジークは最後まで彼女が笑っているわけが分からなかった。

────

ノーヴェに言われてみた先に居たのは、なんとも奇妙な光景だった。廊下の隅でいじけたように壁とにらめっこするなのはを、フェイトが肩をゆすってなだめているのだ。

「(……えぇ……)」
『クラナ、任せた』
『ちょっ』
『お前の親御さんなんだから、お前がどうにかしろ』
『そんな無茶な……』
そんな文句を聞く様子もなく、ノーヴェは「先に少し遅れることを伝えておく」と言って、医務室に向かってしまう。
一体全体どう声をかけたものか頭を悩ませたクラナは、仕方なく無造作に二人に近づくことにした

「もう、なのは、みっともないよ?」
「だってぇ……」
「……あの……」
「わっ!?く、クラナ!?」
「えっ、クラナ!?」
後ろから声を掛けたクラナに、全く気が付いていなかったらしい管理局のエース様二人が慌てて振り向く。正直、今ならそこいら辺のごろつきでも彼女達に一発くれてやれただろう気がする。
妙な場面を見られたことに焦ってか、なのはが早口にまくし立てる。

「あ、えっと、その、これはねクラナ、なんでもないんだよ?」
「なんでも無い事無いよ……なのは、クラナが友達と話してるの見て、「一番だと思ったのに」っていじけてたんだよ?もう……」
「わぁああ!!フェイトちゃん!しーっ!しーっ!!」
「…………」
事情を聞いてクラナは自分の表情が引き攣るのを感じた。なんというか、それでも管理局のトップエースなのか、というかむしろもっと根本的にそれでも大人かという話である。23にもなって子供のねぎらいの一番乗りを逃してへこむとかなんだそれは、思春期真っ盛りの若干面倒臭い系女子か。

「だからみっともないよって言ったのに……」
「……ごめんなさい……」
なんで試合後のメディカルチェックに行く前に自分は母親が母親を叱るシーンに遭遇しているのだろうかと、割と本気でクラナは頭を悩ませる。まぁ
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