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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十一話 決着の時です。
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「いえ、ついにあなたがここまで上り詰めたのだと思うと、感慨深いものがあるの。それでつい・・・。ごめんなさいね。むろんこれが終着点ではなく通過点に過ぎないことは承知しているけれど。」
「わかっております。ええ・・・。」
ラインハルトの瞳にもかすかにゆらめくものがあったのを確かにイルーナは見届けたのだった。
「そろそろお時間です、お支度を。」と侍従武官が知らせに来たので、ラインハルトは立ち上がった。
「では、私たちは控えの間にいっております。」
キルヒアイスが言う。
「ラインハルト。」
ワルキューレは汝の勇気を愛せり、が演奏され始める中をイルーナはラインハルトに声をかけた。
「元帥になったからにはあなたは宮廷と深いかかわりを持つことになるわ。今まで以上に大変な思いをすることがあるだろうけれど、私たちはこれまで通りずっとあなたを支えていくから。」
しっかりとうなずきを返したラインハルトは、前を向き、ぎいっと開かれた黒檀の大扉から中に入っていった。4人はそれを見届けて控室に下がっていく。
両側にと列する文官武官の中をラインハルトはしっかりした足取りで、ただ前だけを向いて歩いていく。その視線の先には皇帝陛下が玉座に座っているが、ラインハルトの瞳はその先を、見通しているようだった。たとえ皇帝と言えども自分の志をとめることはできはしないのだというかのように。
午前10時。冬の陽光が厚い雲を通してかすかな光を投げかけているのが、厚いガラス窓の外に見える。今朝がた降っていた雪は既にやんでいた。
ひざまずいたラインハルトの頭上に皇帝陛下のお声がふってきた。
「ローエングラム伯、ミュッケンベルガー主席元帥、ブラウンシュヴァイク公爵と協力し、反乱軍を鎮圧した此度の武勲、見事なものであった。」
「恐れ入ります。これもひとえに陛下の御威光の賜物でございます。」
ラインハルトは静かに頭を下げた。が、その胸中は複雑であった。皇帝に対しての憎悪はある。だが他方でつい先日まで傍らにいた門閥貴族の一員であるリッテンハイム侯爵を反乱軍という一言であっさり片付けてしまうフリードリヒ4世の心情に疑問を持っていたのだった。あまりにもあっさりとしすぎているのだ。何かしら心情を垣間見えることができないか、と思ったが、すべて平板な声の他には何も感じ取れなかった。もっとも、フリードリヒ4世は本心を韜晦するすべを身に着けているとイルーナたちから散々聞かされていたから、そのあっさりした態度がフリードリヒ4世の本心とは思わなかった。
そのようなことを考えているラインハルトをよそに、儀式は進行していく。フリードリヒ4世は傍らに立つ侍従から捧げられた羊皮紙を手に取り、穏やかな声で読み上げた。
「カストロプ星系会戦、リッテンハイム星系会戦の反乱軍討伐功績により、汝ローエングラ
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