第百二十話
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とこ、多分、リズも同じこと思ってるよ?」
「……ナイスじゃ……ない……」
はなはだ不本意なこと極まりない情報がユウキから漏らされたが、そう言われるとそんな視線で見られていた気配がないこともない。またもや髪の毛をグシャグシャにしながら沈黙し、ユウキに向き直って何か言い返してやろう、と思った瞬間――辺りに響き渡る声が届く。先程のセブンからの現実からの通信ではなく、このアスカ・エンパイアの世界に共にいる仲間の声。
「みんなー! 入口に集まってくれー!」
「ジュンの声だ。ショウキ、行ってみよ!」
レベルの低い拡声魔法を使っているからか、メガホンのようで少し聞き取りにくかったものの、どうやらジュンの声らしい。流石はリーダーといったところか、ユウキはピタリと名前を言い当てた。小走りで石の階段があった入口まで戻ると、ジュンとキリトが神社の賽銭箱の横に座り込んでいた。
「ジュン、どうしたの?」
「ま、見てみろって」
「あ、開いてる!」
ジュンが得意げに背後を指差すと、そこには先程は襖で閉じられていた、神社の本殿があった。内部は暗くて見えないものの、そこには何かがあることは明白で、少なくとも新たな手がかりにはなるだろう。
「どうやって出て来たんだ?」
「ああ、そこに書いてあったんだよ。『ぼた餅が食べたい』って。だから供えてたら開いた」
裏庭を調べに行った他のメンバーはもう少しかかりそうで、その間にキリトに訪ねておくと。キリトは近くにあった石柱を指差したが、そこには何も置かれていなかった。
「ぼた餅? 持ってたのか?」
「いや。代わりにサンドイッチを供えた」
「……罠じゃないだろうな」
間違ったものを供えた上に、どうやら襖が開いた後に回収したらしい。神様の怒りを買う準備はしっかりと整っているように感じられたが、それはキリトにも分からないことで。結局は不安を煽られただけで、他のスリーピング・ナイツのメンバーが到着する。
「ごめん! ウチらはなんも見つけられなかった!」
「ごめんなさい……」
ノリとシウネーは、俺にユウキと同じく手がかりはなし。申しわけなさそうに謝罪する二人を見て、謝るタイミング逃した――と、ユウキと顔を見合わせた。
「僕らはこれを見つけたよ」
そう言ってテッチとタルケンが見つけてきたのは、見るからにボロボロな古文書。解読も困難な程で、ペラペラと見せてもらったものの、まるで内容は分からない。
「《鑑定》スキルでなんとか解読してみたけど、《大蛇》のことが書いてあるみたい」
「大蛇?」
「アスカ・エンパイアの世界の大型ボス。割と手強い相手だよ」
アスカ・エンパイアに詳しくない俺とキリトに対して、テッチから大
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