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SAO−銀ノ月−
第百二十話
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 突如として舞い込んできたセブンからの依頼は、ALOとは違うVRゲームで実装される予定の、とあるクエストの調査だった。とはいえVR世界の権威でもある、セブン絡みの調査というわけで、もちろんただクエストを遊べばいいという訳ではなく。

 そのクエスト《幽霊囃子》は、データ上には存在しない――いわゆる、『幽霊』が現れると噂になったのだった。 発生条件や現れる幽霊がどんなものかは分からず、正体不明のその存在に対して、セブンに調査の依頼が来ていたのだ。

 ただしそれだけで、セブンが俺たちのような部外者に仕事を漏らすわけがない。それでもあえて、セブンが俺たちにこのクエストの情報を渡してきたのは、データ上に残っていたある文字による。ひとまずクエストのデータを全て調べたセブンは、データに刻まれたある文字列を見つけたという。

 ――スリーピング・ナイツ、と。

「幽霊、か……」

 そしてセブンから調査を引き受けた俺たちは、学校が終わってからあるVR世界へとログインしていた。本来この《幽霊囃子》クエストは、ALOとは違うVRゲーム、アスカ・エンパイア――ユウキたちがALOに来るまでに遊んでいたゲームらしい――でのクエストなのだが、今からそのアスカ・エンパイアでレベルを上げるわけにもいかず、そのアバターはALOのままだった。

『ショウキくん、アバターの調子はどう?』

「普段と変わりない」

 とはいえ翼はないということで、どちらかというとSAOでのアバターに近いもので。ザ・シード系列の為に出来る荒技らしいが、そこのところの詳しい理屈は、今回の仕掛け人であるセブンにしか分からない。そのセブンは専門家として、現実世界で俺たちの様子をモニターしていて、その声だけが耳元に響き渡った――当人は、ログイン出来ないことが少し残念そうではあったが。

 そしてこちらに遅れることしばし、スリーピング・ナイツのメンバーも続々にログインしてきた。彼ら彼女らはこの《幽霊囃子》クエストの元ゲーム、アスカ・エンパイアも経験しているとのことだが、全員合わせてということか、そのアバターはALOのものだった。

 アバターのチェックは誰も問題ないようだったが、流石にその表情は緊張に包まれていた。

「でも大丈夫かな。調査とかそんな、ボクたちで……」

『普通に遊んでくれればいいわ。それで異常を探すのは私の仕事』

「そうそう。それに久々だねぇ、このアスカ・エンパイアの雰囲気!」

 ユウキが漏らした弱音に対して、フォローするようにセブンの声が響き、それに呼応するかのようにノリが肩を叩く。アスカ・エンパイアは和風VRゲームということらしく、確かに周りには江戸時代を連想させる建物が鎮座していた。

『心配するようなら、他にも調査してるプレイヤーは
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