114話 予感
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どころか仕掛け扉の仕掛けすら解かずに扉ごと吹っ飛ばしてグイグイ先に進む姿はひょっとするといつもよりワクワクしているように見える。はぁ……脳内麻薬でテンションを上げられると怪我が増えるから勘弁して欲しい。
「謎解きは?!」
「どうしようもないなら考えよう!そうじゃなきゃ吹っ飛ばそう!」
「製作者泣いてるよ……」
「そりゃ失礼!」
ムーンサルトで俺達を攻撃しようと身構えた瞬間にオーシャンクローは葬られ、キングマーマンの無念の断絶魔はいちいち構えるものでもない。うっかり迷い込んだらしいしびれくらげがそそくさと逃げるのを見逃して、通路の狭さからいつものように槍を使えずに不貞腐れたエルトにバイキルトを唱える。
……エルトの剣はどことなくトウカに似てるな。遠心力を使うところは違うが、流石は昔馴染、か。
得意武器を封じられた上にムーンサルトを防ぎきれずに腹に食らったエルトがギガスラッシュをぶっぱなし、余波に巻き込まれないように後衛側に下がってきたトウカはなんで槍使いなんだろうと呟く。
あぁ、全くだよな。
「私もあぁいう技使いたいなぁ」
俺もやろうと思ったらジコスパークを使えるんだぜ?
と一応アピールしておく。槍でエルトがジゴスパークを撃っているのは知っているだろうが。
「ほんとに?!今度見せてよ!」
いいぜ。
「やった!みんなかっこよくて強い技使えるんだね、私も編み出さないとなぁ!」
……ジゴスパークよりも強い五月雨剣でバッタバッタと殺しながら言うセリフではないだろ……。
「水門見っけ!」
「ちょ、ちょっと早いから、待ってよ!」
いつもと同じような騒がしさに妙に安心する。なのになんで……レティスと聞いてから胸騒ぎがするのだろう。目の前の笑顔、仲間に向けられる微笑み。それらが全部奪い取られてしまいそうな……。
ただの予感に女々しいこった。奪われる?まさか。むしろうちのパーティのたくましさなら毟るだろ、こっちが。
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