ピースウォーカー・前
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ない理由が出来たわけじゃあない。どうせあんたらに助ける方法を訊いた所で答えないか、そもそもわからないんだろうし。だったらこれ以上イラつかせる前に、大人しく退場願おうか?」
「さ、流石は太陽の戦士と闇の書の先代主の娘……」
「次元世界の常識を超えた行動を、いつもしているだけあるわね……」
どこか別の世界では合体してでも戦ったポー子爵だが、今回は自分達の認識不足が原因で致命傷をもらったため、素直に敗北を認めていた。しかし二人は黒煙が上がる身体を少しだけ起こし、負け惜しみと言わんばかりに笑う。
「一つだけ、忠告しておこう。サヘラントロプスに組み込んだ生命維持装置は、キミ達が思うような単純な代物ではないよ……」
「彼女がサヘラントロプスの拘束から外れた時、何が起こるかはその時までお楽しみにね……」
「すまない、ジニー。キミを守れなくて……」
「いいの、エディ。アナタと二人なら……」
無言のままジャンゴはベクターコフィンを、マキナはアイアンメイデンを取り出して手を掲げる。
ヴァランシアの一員、ポー子爵ことエドガーとヴァージニア……封印完了!
「(本気で怒ってる奴って、まるで導火線の火が炸薬のすぐ手前まで迫ってる爆弾のようで怖いんだよなぁ……マジで)」
イモータルすらビビらせる気迫を間近で見ていたアギトがポロッと本音を漏らすが、それを否定する者は誰もいなかった。
『そ、それで結局どうするん? イモータルを封印できたのは僥倖やけど、核発射を止めなきゃあかんのにサヘラントロプスを壊したらなのはちゃんが死ぬとか、もうどないすりゃあええねん!?』
「焦るな八神。イライラしてる私が言う事じゃないかもだけど、こういう時こそクールになれ。……さて、とりあえず質量兵器が相手である以上、非殺傷設定の効果が働かない点は見逃せない。管理局が推奨してきた魔法の性質の弱点を見事に突いてるから、それに頼ってきた人間から見ればとてつもなくやりにくいと察せるね」
『せやなぁ……非殺傷設定は相手を殺さずに済む確率を格段に上げてくれたし、管理局の治安維持組織としての信念には必要不可欠や。私らもその不殺の信念そのものは今も間違ってないって思っとるけど、それが通じんとなると途端に手段が狭まるなぁ……』
「ひとまず生命維持装置がどういう仕組みで高町の生命を繋ぎ止めているのか、それを解明しないことには迂闊な真似はできない。下手したらあのシリンダーから出した途端、身体が豆腐のようにボロッと崩れ去るなんてこともあり得るからね。だからその解析も含めて彼女を救う策が思いつくまでは、サヘラントロプスの動きを止めることに専念しよう。時間が残り少ないのが気がかりだけど、破壊云々はその後。とにかくバインドで拘束するなり、機能が停止しない程度
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