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リリなのinボクらの太陽サーガ
ピースウォーカー・前
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も人間とメタルギアではパワーが違い過ぎて、バインドの輪はたやすく千切れ、鎖は引っ張られて逆に魔導師の方が振り回される始末。それはさながら暴虐の限りを尽くす巨人相手に、小人が何度も吹き飛ばされながら挑みかかるような光景であった。

「あかん、こっちのパワーが全然足りてへん! 破壊するつもりなら他にもやりようはあるけど、こんなデカブツを止めるには、ここにいる何倍もの人数が必要や……!」

「(あまりに動き回るものだから、追いかけるだけでかなり時間がロスしてるぞ! 核の発射まで時間が無いってのに、もどかしくてしょうがねぇ!)」

「やっぱりこういう管理局風でお綺麗な戦術はどうもやりにくい……。あとさぁ、八神。愚痴る以前に、人数が足りないならさっさと応援を寄越せばいいじゃん。人海戦術は管理局の十八番でしょ?」

「(そ、そうでした! ここからならノアトゥンにも通信が届きます……クロノ提督ならきっと駆け付けてくれるはずです!)」

頭を抱えたくなる状況が連続で襲ってきたせいで実はかなり焦ってるはやてに、マキナは頭を冷やす時間と発破をかける意味でも、ノアトゥンにいるアースラに応援を要請するように指摘した。アギトが不安そうな面持ちで見守る中、手に汗を握らせながらはやてはアースラの艦長クロノへ通信を繋げようとする。

「あぁ……そうだ。後で文句言われない様に、今の内に言っておく。絶対条件として、核の発射だけは何としても阻止しなければならない。限界寸前まで足掻きはするけど、もし今のやり方でそれを止められそうになかったら、その時は――――」

「いや、その先は言わんといて、マキナちゃん。聞かなくてもわかるから。ただ……一度でも言葉にされたら、諦めることに納得してしまいそうやねん」

「あっそ。指揮官たるもの最悪の事態も想定しておく必要があるんだけど、やっぱり八神は考えたくなかったか。まぁ……あんたはそれでいいよ」

「マキナちゃん……」

「八神にやれないことは、私がやる。いざとなれば汚れ役だって引き受けるさ」

「………」

マキナの放った言葉に不安と微かな疑問を抱くはやてだが、彼女の目に宿る覚悟を見せ付けられて何も言い返せなかった。アギトはマキナの言葉に含まれた意味を全て理解しているが、報復心を芽生えさせないために黙っているように口止めされている。しかしやはりというべきか、言えないことのもどかしさがアギトの胸中を駆け巡っていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

新暦67年9月24日、16時23分

ミーミル首都ノアトゥン、管理局フェンサリル支部上空で待機中のアースラにて。

「クロノ艦長、八神二等陸尉から緊急通信です」

「緊急? 彼女に預けた次元航行艦から来ていないって事は……繋げ」

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