第6章 『八神はやて』
第49話 家族が増えるよ!! やったねはやてちゃん!
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声を聞き違えるはずがない。
「おとうさん!」
慌てて駆け寄ると、父が目を覚ましていた。よくお聞き、と娘に語り掛けた。曰く、悪魔という存在について。曰く、自分がエクソシストと呼ばれる悪魔の退治屋だったことについて。曰く、教会で母と出会い逃げてきたことについて。曰く、母は『聖女の微笑』という神器を宿していたため狙われていたことについて。曰く、堕天使を頼っていたが、娘を守るため逃げてきたことについて。少女の知らない知識を与えた。
そして、最後に父の友人を頼るように伝え終えると――――静かに目を閉じて息を引き取った。
「…………え?」
訳が分からない。さきほどまで父とお話していたのだ。難しい話をされたが、悪魔とやらを倒したのだ。あとは、父と一緒に紫藤ナントカという人物に会いに行くのではなかったのか。
「おとうさん?」
父は応えない。
「ねえ、おとうさん、起きてよ。おとうさん、おとうさん、おとうさんおとうさんおとうさんおとうさんおとうさんおとうさんおとうさんおとうさんおとうさんおとうさんおとうさんおとうさんおとうさんおとうさんおとうさん、おとうさんっ!!」
何度も、何度も、何度も父の名前を呼び、彼の血まみれになった肩を揺する。血の海に沈んだ手を取るが、いつかのような温もりはなかった。
父は応えない。彼の目は少女を見ない。彼の口から――――と名前を呼んでくれることもない。何もかもが虚無だった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
いくら叫ぼうとも、いくら泣き叫ぼうとも、いくら現実を否定しても、目の前にある状況は変わらない。
―――そう、通常の手段では。
「ねぇっ! おとうさんっ! なんでもいいっ! どうでもいいっ! こんな世界も、何もかもどうなってもいいっ! おとうさん、笑ってよっ! ぼくを見てよっ! お話してよっ! ぼくを褒めてよっ! 名前を呼んでよっ! ずっと一緒にいてよぉ……」
涙がとめどなく流れる。どうするべきか。焦りからうまく考えがまとまらない。空転する思考の中で、初めて自分が水色の光に包まれていることに気づいた。理由はよくわからないが、拾ってきた青い宝石のおかげらしい。誕生会の席で、父を驚かせようと思って持ってきたものだった。
身体の中に、9つの石が溶け込んでいる感触がある。手に入れた力の凄さは、化け物の残骸が物語っていた。
もしやと思い、溢れ出す力に願う。
「おとうさんを助けて! お願い!!!」
魔法のような奇跡を起こした力、歪められ気まぐれな力は再び奇跡を起こす。9つのジュエルシードを宿しながらも暴走していない。この事実が、少女の魔法適正能力の高さを
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