ちょっとお洒落に
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、これはビールではないな。提督、赤ワインを貰おう。」
指に付いたオリーブオイルを嘗めとりながら、武蔵が注文してきた。しかしまぁ、良く飲むねぇ武蔵は。
「当たり前だ、営倉にいる間一滴も飲めなかったからな。今日はその分飲まなくてはな!」
フハハハハ、と高笑いする武蔵。ながもんに続いてお前もこれからたけぞうって呼んでやろうか。……いや、ダメだ。たけぞうだと二〇一流とか編み出しそうだからダメだ。
「まぁいいけどよぉ。明日からまた通常業務に戻ってもらうからな?差し支えの無いようにしろよな。」
ちなみにだが、ニンニクとオリーブオイルの組み合わせは、他の国でも見られる。特に、イタリアのアーリオ・オーリオなんかは有名だな。パスタのアーリオ・オーリオは、別名ペペロンチーノ……まぁ、こっちの方が有名だな。
「ねぇねぇ、武蔵さん知ってる?」
アヒージョを肴に赤ワインを楽しんでいた武蔵に、ジントニックを飲み干して、今度はチチをストローで啜っていた島風が思い出したように話しかける。
「ん?どうした島風。」
「最近ねぇ、あきつ丸さんのお酒の好みが変わった、って。」
それを聞いた武蔵は、かなり驚いていた。
「何だと?それは本当か。」
「うん、最近鳳翔さんのお店に行くと、ワインとチーズばっかり頼むんだって。」
「あれだけ『日本男児たるもの、日本酒以外有り得ないであります!』と豪語していたあきつ丸がなぁ。」
クックッと喉を鳴らし、笑いながら武蔵もグラスを傾け、中身のワインを喉に流し込む。俺も思わず吹き出しそうになったが、ここで吹いたらあきつ丸が余りに不憫だったので何とか堪えた。そもそも、あきつ丸も艦『娘』なのだから、日本男児ではないのだが。しかし、話を聞くだけで情景が目に浮かぶわ。
「まぁ、いい事じゃないか。陸軍からの派遣組も、そうやってウチの鎮守府……というか海軍の空気に慣れてきたって事だろ?」
「いや提督よ、それは慣れてきたのではなく『毒された』というのでは無いのか?」
「ブフッ!」
すまん、あきつ丸。我慢しきれなかった。
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