第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#33
星魔の絶戦 千変VS星の白金〜PHANTOM BLOOD NIGTMARE XV〜
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る緊迫が承太郎を包んだ。
――トクン、トクン。
しかしソレを呼び水として、頭の中を白く染める高揚が指先、足の先まで沁み渡る。
――ドクンッ!
一際強く、鼓動が脈打った。
同時にマグマのように熱くなった血が全身を駆け巡った。
“嘗ての自分”
シャナと、花京院と出逢う前の、
ままならない世の中の不正や矛盾にただ苛立ち、
そのスベテを叩き潰すかのように 「強者」 を求め、
夜の街で暴れ狂っていた狂 騒の時。
警察も手を焼く武装暴走団をたった一人で壊滅させたアノ時。
路上最強と呼ばれる伝説的ストリートファイターとノールールでヤり合ったソノ時。
己を筆頭として、子供にまで麻薬を流す非合法の新興組織を集団で殲滅したカノ時。
それら狂熱の日々と同じ、否、それ以上の血の滾りが承太郎の裡で眼を醒ました。
少女との絆 、母親への深愛、仲間との友情。
それらはスベテ、今日の “彼” を形創るのに欠く事の出来ない重大な要素だ。
しかし!
空条 承太郎とは、それ以前に一人の 『男』 とはッ!
決して与えられ “対応する者” のみに在らず!!
心の深奥で常に強者を追い求め、骨身を削り敵を凌駕し、
今の自己を超克して往く者。
その存在が、承太郎の前に現れた、顕れて、しまった。
絶大なる力を持つ紅世の王、及び
『仮装舞踏会』 『三 柱 臣』 『将軍』
“千変” シュドナイ。
かつての自分とは相反し、ここ数ヶ月間の承太郎の戦いは
「挑む者」 としてではなく「護る者」 としての闘いで在った。
彼自身も次第次第にソレに慣れ、
護り抜いた少女の笑顔や平和な人々の様子を
穏やかな気持ちで見つめていた。
しかしもう一人の自分は、否、どうしようもない真実の自分は、
穏やかな温もりの中で懸命に叫んでいた。
戦 え、闘 え、斗 え!
誰の為でもなく自分の為に、あらゆる強者を駆逐して
誰も追いついてこれない絶対の領域まで翔け上がれ!
ソレが 『男の世界』
生温い安寧に、自己を委ねるな!
「オ……オォォ……」
心の隅で何かがつかえたように、くぐもった声が承太郎の口唇から漏れた。
しかし 『光』 が。
“敢えて” 苦難の道を往く者だけに視える 『光』 が、
その存在を掻き消した。
『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォ
ォォォォォ――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!』
極限の咆吼、共に爆裂するス
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