第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#33
星魔の絶戦 千変VS星の白金〜PHANTOM BLOOD NIGTMARE XV〜
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ガギィッッ!! 構えた右拳を解除、防御体勢に移行するしかなかった。
両腕を広げて獣の喉元を掴み、立ち往生の体勢となるスタープラチナ。
男との射程は5メートル以上あるにも関わらず、
近距離パワー型スタンドの剛腕がミリミリと圧搾されていく。
『スタンド使い』 と “紅世の徒” の異能偏差、
後者は 「距離」 の法則に捕らわれない。
「ぐ……!ううぅ……ッ!」
頑強な歯を剥き出しにして堪えるスタンド同様、承太郎も口中を軋らせる。
ガチガチガキガキと狂暴に牙をカチ合わせる魔獣の頭部から発生する圧力の累積に
両腕が痛みを伴って痺れ始め、耐えきれなくなった足下が罅割れ埋没していく。
対照的に黒ずくめの男は余裕の表情、双眸の見えないサングラス越しに
ジラリと承太郎を睨め付ける。
「フッ、貴様のコトは知っているぞ…… 『星の白金』
イヤ、 “星 躔 琉 撃の殲 滅 者” と云うべきか?」
「勝手な通り名、付けてんじゃあねぇ……!」
徐々に徐々に縮まってくる両腕に歯噛みしながら承太郎は言葉を絞り出す。
「アノ “狩人” フリアグネ、更には顕現した “蹂躙の爪牙” すら
討ち果たした地上最強の 『ミステス』
“炎髪灼眼” を片割れに、随分と戦果をあげているようだな?」
「興味ねぇよンなもん……!
テメーら人喰いのバケモンがチョーシこいてやがるから
ヤキいれてやっただけさ……!」
スタンドが圧力に縛られているので承太郎も動けない、
しかし無理に平静を装い黒き視線を睨み返す。
「フッ、大した気勢だ、たかが人間風情が
この “千変” シュドナイを前にしてよくも」
「 “たかが” なんて 「人間」 はいねえんだよッッ!!」」
怒気、そう呼ぶには苛烈過ぎる精神の迸りが空間を劈いた。
そう、紅世の徒の一番ムカつく所は、赦せない所は、
頼みもしないのに勝手にこの世界へやってきて、
散々人の生命と生活を喰い潰し、
その事を気にも留めない驕り高ぶった態度だ。
一人の人間として、男として、余りにも当然な承太郎の怒り、
それを嘲笑うようにシュドナイの変貌した両腕から、顎のみ、
剥き出しの牙が黒く伸長しスタープラチナの右脇窩と左脇腹に咬い付く。
「ぐっ!」
即座に反映されるスタンド法則、極薄のインナー越しに繁吹く鮮血。
戦況の優位は明らか、このまま緩んだ膂力に乗じて
上体を喰い千切ってやろうと男の口が残虐に歪む。
苦痛を孕み、断続的に噴き出る血、だが咬束したシュドナイの側に違和感、
「――ッ!」
喰い込んだ牙が、合致せず徐々に押し戻される。
「ぐっ……おぉぉ……ッ!」
予期せぬ
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