第三十四話 ハウステンボスでその一
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第三十四話 ハウステンボスで
優花と龍馬は龍馬の案内を受けて道から階段を降りて運河と殆ど同じ高さにある屋外の店まで来た。木製の頑丈な造りのテーブルと椅子が幾つかずつ置かれている。
その席の端の方に座ってだ、龍馬はお店の人に注文した。無論優花も一緒だ。
「赤ワイン三本ですね」
「はい」
龍馬はまずはワインから注文した。
「ボトルで」
「そしてソーセージと」
「サラミとチーズ、クラッカーもお願いします」
「その四つですね」
「一人前ずつお願いします」
こちらの量についても答えた。
「それで」
「わかりました、ではすぐに持ってきます」
お店の人は二十代前半と思われる若い男の人だった、黒と白のウェイターの姿がよく似合っている。その人がすぐにだった。
ワインと肴、龍馬が注文したものを持って来た。そのうえで。
既にコルク栓が外されているワインをグラスに自分で注ぎ込んでだ、龍馬は優花に言った。
「グラス出せよ」
「入れてくれるんだ」
「ああ、そうするな」
「じゃあお願いするわね」
優花はにこりと笑って自分のまだ何も入っていないグラスを差し出した。すると。
龍馬はすぐにそこに赤いワインを注ぎ込んだ、赤というよりかは濃い紅のワインが芳香を醸し出しながらグラスに入った。
そのワインで乾杯をしてだ、二人は飲んだ。優花はゆっくりだったが龍馬は勢いよく飲んだ。そのうえでだった。
一杯飲み干してからだ、龍馬は優花に笑顔で言った。
「いや、美味な」
「そうよね」
「何か外で飲むワインっていいな」
「私もそう思うわ」
優花は自分達の周りを目で見回して答えた、ハウステンボスの白い建物と赤い煉瓦で造られた街並みを見ながら。
「特にこうした場所で飲むとね」
「欧州の街並みの中でな」
「そうよね」
「特にな」
「風情もあって」
「それが大きいか」
龍馬は運河を見て言った。
「何か欧州にいるみたいで」
「そうよね」
「ソーセージやチーズもな」
もう一杯入れてそれぞれ一切れずつ口の中に入れてからまた言った。
「美味いし」
「元々の味もいいけれど」
「こうした場所だと余計にな」
「美味しく感じるわね」
「そうだよな、ここにいたら」
また一杯飲んでから言った。
「どんどん飲めるな」
「そうよね」
優花も飲みつつ応える。
「飲みやすいワインだし」
「俺朝も飲んだんだよ」
ホテルで、というのだ。
「結構な」
「シャンパンを?」
「ああ、そうしたけれどな」
「今もなのね」
「どんどん飲めるよ」
「飲み過ぎないでね」
優花はその龍馬に顔を向けて笑って声をかけた。
「くれぐれも」
「ああ、幾ら美味くてもな」
「飲み過
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