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IS《インフィニット・ストラトス》〜鉄と血と華と〜
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夜の空の下、鉄の匂いが香る風、砂埃を運ぶ風。少年は『何かに』背を預けながら何処か遠くを見ていた。
彼の側には何人もの死体が存在している。異様なその光景の中、少年はポケットの中から一粒のチョコレート
を取りだし口に運ぶ。
「終わったか」
「うん、終わったよ。今日はこれで終わり?」
気づけば少年の側に髭を蓄えた男が居た。
「帰るぞ、もうここには用はない」
「わかった」
まるで感情の籠っていないような声で少年は答え、背を預けていた何かがドックタグ状に姿を変えて彼の手に収まると、それをチョコレート入れていたポケットとは逆の方へと仕舞い男の後を追いかける。
「今日の相手はどうだった?」
「別に」
「別に、か……相変わらずだな、お前は……ふむ、そろそろお前って呼ぶのも味気ないな」
ポリポリと顎を掻き数秒悩むが、ふと空を見上げて
「そうだ、決めた……今日からお前は―――」
「ミーくん、起きて、ミーくーん」
「ん」
少年は思い瞼を上げると、視界一杯に女性の顔が入り込む。
「やーっと起きたねーミーくん」
「何、束?」
束と呼ばれた女性はニコーっと笑みを浮かべる。
「ようやくミーくんの『アレ』が完成したんだよ!」
「ああ、それじゃあ……」
「そ、これからミーくんにはあの場所に行ってもらうよ」
少年の側から束は離れると
「んじゃ、最終調整と、偽の戸籍とか色々作ってくるからミーくんは待っててね!」
「うん、お願い」
ダダッっと駆けていく束、残された少年は彼を照らすライトのある天井を見ながら
「ようやく、またお前と一緒に戦えるな……『バルバトス』」
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