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IS ーインフィニット・ストラトスー 〜英雄束ねし者〜
21話『タッグマッチ』
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ードを構えてSEが殆ど無くなっている一夏とシャルロットへと突きつける。

「悪いな……今回のトーナメントは本気で勝ちを狙っているんだ。これで決着だ」

 四季の取る構えは七星天剣流のそれだ。本気でトドメを刺す心算の、その構えに身構える一夏とシャルロット。そんな時だった。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!」

 突然、ラウラから身が裂けんばかりの絶叫が響き渡る。同時に彼女のISシュヴァルツェア・レーゲンから激しい電撃が放たれる。

「っ!? 何が……」

 四季はラウラのISを一瞥しながら、以前束に破壊を依頼された物の事を思い出す。

(まさか、VTシステム?)

 ラウラを飲み込みながら……彼女のISは変形し始めていた。四季のデジモンのデータによってヴレイブが変身する特種形態移行と違い、原型がなくなる様に装甲は溶け、ドロドロとしたナニカになってラウラの全身を飲み込んでいく。
 黒い、深く濁った闇のようなナニカに飲み込まれる様は……四季には何時かデジタルワールドで見た暗黒の力にも似たものに見えた。

 その姿に警戒し、四季は本能的にラウラから距離を取るとラウラを飲み込んだ闇は粘土細工を作り上げる様に新たな形へと作り直していく。
 シュヴァルツェア・レーゲンだった物は今は黒い全身装甲(フルスキン)のISに似た何かが現れる。

(デジモン……いや、人?)

「なんだよ……あれは?」

 黒い人型には四季にも一夏にも……いや、この場に居る全員に見覚えがある影だった。そして、その手の中に有るのは……

「『雪片』……!」

 一夏の静かな叫びが響き渡る。それが手に持っている武器は確かに、かつて織斑千冬を最強のIS乗りと謡わせた武器にして一夏と秋八の雪片弐型の原型となった剣、『雪片』だった。

(……やっぱり)

 四季は雪片を持った千冬の形をしたナニカを睨み付ける。

(詩乃に出会って、気にすることもなくなったと思っていたけど、何処か蟠りってのはあるみたいだな……)

 仮想敵として何度も戦ってきた影が四季の目の前に居る。その身に纏うのは己と詩乃の誓いと未来に進む為の証しであるHi−νガンダム・ヴレイブ。目の前に居る敵は過去の象徴たる雪片を持った千冬の姿をした敵……。

(落ち着け……先ずはVTシステムの破壊、次にボーデヴィッヒの救出)

 冷静になるように己に言い聞かせながら二つの目的を上げる。だが、冷静では無いかったから、と言うのは言い訳に過ぎない。だからこそ気付かなかった……一瞬の明滅だがヴレイブのセンサーは確かに捕えていた。IS学園のネットワークを通じ、月からラウラのISの中に入り込んだ一つのデータの存在に。



『……掌握
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