第1章
旧校舎のディアボロス
第11話 幼馴染み、怒ります!
[2/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
」
「はい。部長たちが来た段階で、私の役目は完了したと思うので」
相手に私一人だと感づかせないために隠れていたわけですから。
「さっきの矢はてめぇのしわざかよ! フン。弱い人間らしい手だこと」
私が現れたことに、最初は訝しんでいたミッテルトだったけど、私が人間だとわかった途端、見下し始める。
明日夏兄の言う通り、彼女らは私たち人間を格下の存在だと思い込んでいるみたいだった。
「さて、こうして待ち伏せていたということは、私たちに動かれるのは、一応は怖いみたいね?」
「ううん。大事な儀式を悪魔さんに邪魔されたら、ちょっと困るってだけぇ」
「あら、ごめんなさい。たったいま、うちの元気な子たちがそちらに向かいましたわ」
「えっ、本当!? やだ、マジっスかぁ!?」
「うん。私たちは陽動。本命はもう正面から乗り込んでる」
「しまったぁぁっ!? 裏からこっそり出でくると予想してたのにぃぃっ!」
地団駄を踏むミッテルトだったけど、すぐに落ち着きを取り戻した。
「まぁ、三下なんか何人邪魔しようとモーマンタイじゃねぇ? うん、決めた、問題なし。なんせ、本気で邪魔になりそうなのは、あなた方お二人だけだもんねぇ」
人間を格下と思い込んでいる彼女にとって、私は物の数に含まれていないようだった。
「わざわざ来てくれて、あっざーっス」
「無用なことだわ」
「え?」
「私は一緒に行かないもの」
「へぇー、見捨てるってわけ? まぁ、とにかくあれよ。主のあんたをぶっ潰しちゃえば、他の下僕っちはおしまいになるわけだしぃ。いでよ♪ カラワーナ♪ ドーナシーク♪」
ミッテルトがその名を呼ぶと、私たちの背後に二人の堕天使が現れた。
「何を偉そうに」
「あいにく、また見えてしまったようだな、グレモリー嬢」
「フン。貴様から受け取ったあのときの借り、ここで返させてもらおう」
一人は、私が以前戦った堕天使カラワーナ。もう一人はおそらく、明日夏兄が以前戦ったという堕天使ドーナシークなのだろう。
「あらあら、お揃いで」
「ふふ」
堕天使の増援が現れたのにも関わらず、部長と朱乃さんは余裕の態度を崩さない。
でもそれは、堕天使たちのような相手を侮った慢心によるものじゃなく、相手の実力をきちんと測ったうえでの強者の余裕というものだった。
「我らの計画を妨害する意図が貴様らにあるのは、すでに明白」
「死をもって贖うがいい」
堕天使たちは翼を羽ばたかせ、空中に飛び上がって、抗戦の意を見せる。
「朱乃」
「はい、部長」
朱乃さんが手を上げると、雷が朱乃さんを包み、着ていた服装が学生服から巫女装束へと変わった。
大和撫子と呼ばれる朱乃さんには
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ