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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第546話】
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すぎる、もっと直線的ではなく多角的に動くんだ」
「ッ……うぉぉおおおッ!!」
言葉が届いてない訳ではない、だが一夏自身古い考えの持ち主であり、男は女を守るもの――現状は守るではなく守られる側になってる事実が無意識にあるのかもしれない。
直線的な動きを見切り、背面へと強烈なスレッジハンマーの一撃を浴びせる――そこで試合終了のブザーが鳴り響いた。
一方その頃、学園にある特別医療室。
腹部に受けた銃創によって風邪をひき、大人しく寝ている更識楯無の看病をする有坂ヒルト。
「こほっこほっ。 ひ、ヒルト君……風邪、移っちゃうから――」
「ん? 大丈夫ですよ、馬鹿は風邪をひかないって言うじゃないですか」
笑顔でそう告げるヒルトに対して申し訳無く思うも、嬉しさのあまりに顔が綻ぶ楯無――ふと見るヒルトの整った横顔を見るとかぁっと熱が上がる。
モテる彼をからかうのが好きだった自分――だが、そんな彼に気付くと強烈に惹かれていた楯無の心。
ぞっと唇をなぞる――先日交わした唇の感触が蘇ってくる――。
「楯無さん? どうかしました?」
「え、えぇっ!? な、何でもないわよ、あはは――こほっこほっ!」
「ほら、無理せず大人しく横になってないと。 最近は楯無さんへの生徒からの襲撃がないとはいえ、弱ってる時を狙われる可能性があるんですから」
生徒会長の座を狙う生徒からの襲撃はここ最近はない、無論ヒルトが知らないだけでわりと隙あらばと謂わんばかりに襲われるのだが全て返り討ちにしている。
だが流石に弱ってる状態で襲われるのは勘弁願いたい――チラッと上目遣いでヒルトを見、無意識に言葉を紡いだ。
「ヒルト君……何かあっても……君が守って、ね……?」
「ん? ……出来る範囲内で、ならね」
「え――あ、あはは……」
無意識に紡いだ言葉、その言葉の問いかけに答えたヒルトにまた顔を赤くする楯無。
ドキドキと高鳴る鼓動を抑えるように、布団被る楯無に、ヒルトは僅かに笑みを溢して窓から射し込む夕焼けを眺めるのだった。
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