38話 途切れた1つの想い 3.12
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サーベルを持たない方の腕を伸ばしてローゼンズールの肩を掴んだ。そしてゲーマルクをローゼンズールの正面に抱き合わせた。
「この距離ならば!」
ゲーマルクの零距離粒子砲が放たれようとした。しかしローゼンズールの中央より緑白い発光が斥力となりゲーマルクを強制的に引き?がした。
「ぐっ・・・」
ゲーマルクはローゼンズールと少し距離を置く形になった。相変わらず離れると不利な展開の為、グレミーは舌打ちをしていた。
「ちぃ。死角がない」
グレミーが勝機が見いだせないでいた時、辺りに異様な感覚が漂っていた。それはこの宙域から逃げるエルやビーチャら、エンドラの全クルーの居場所が理解できる感覚。
グレミーは焦っていた。この感覚は自分が発したものでない。これを知っている、または知りたいから出ている感覚。それを発したものは目の前にいるローゼンズールだということを。
「・・・貴様、一体何で見せた。このイメージは!」
するとグレミーの視えた中で、シャトルの1つが爆発四散した。その映像には有線アームが視えていた。
グレミーはじっとローゼンズールを見据えた。有線アームの1つがそこには無かった。
グレミーは静かに震えていた。そしてゆっくりと怒りを煮えたぎらせていた。
「・・・そうか。全てを奪おうとするんだな。貴様は・・・貴様はー!」
グレミーの憤怒の精神がグレミー自身の才能を昇華させた。
ゲーマルクから緑白い光が放たれて、グレミーはその事に気づいていない。しかしそれ以外は気付いていた。
「(・・・視える。奴の隙が)」
グレミーは残存のマザーファンネルを起動させて、ローゼンズールを攻撃した。今度は距離が有ってもローゼンズールは避けていた。
「(避けた。しかし逃さん)」
グレミーは再びスラスターを全開にして、ローゼンズールに迫った。再びゲーマルクのサーベルがローゼンズールへ振り下ろされた。今度は避け切れない。ローゼンズールの頭上から二つに機体が割れるかと思った。
ローゼンズールの有線アームの残りの手がゲーマルクのサーベルを持つ腕を下から掴んだ。
ローゼンズールから発光信号音声がグレミーへ語り掛けていた。
「・・・ここまでだな。お前らはここで終わる。私がパンドラボックスの恩恵を授かったのだからな」
グレミーは話の内容が理解できなかった。
「何のことだ。パンドラボックスとは?」
マ・クベは正気に戻っていた。マ・クベは一笑してその質問に答えた。
「この世の怨念、憎悪、災厄の感情が収められた箱。それを理解することで得られる叡智。人の感情は負の産物故に、それを極めた力はサイコミュを極限まで性能を発揮できる」
ローゼンズールのアームはゲーマルクの力を凌駕し、サーベル
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