暁 〜小説投稿サイト〜
逆襲のアムロ
38話 途切れた1つの想い 3.12
[13/16]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
敵機来襲のサイレンで慌ただしかった。エルが各クルーへ指示を出していた。

「索敵!どの方向から何が来るか確認してよ!砲撃手は周囲のデブリのゴミを掃除しといて。無線はグレミーとの交信は?・・あー、モビルスーツ部隊の出撃?そうねえ、何があるか分からないからスクランブルね。で、・・・ビーチャのシャトルが向かってる?ガイドビーコンを出しといて」

エルは艦橋内を縦横無尽に走り回り、クルーはエルを頼る。エルは目を回しそうになっていた。
1人のオペレーターがエルを呼んでいた。グレミーとの通信が取れたのだが、通信状態が悪いとの回答だった。そこでエルが代わりにその通信に出た。

「ジジ・・・早・・・そこか・・・いど・・・来る・・・」

ホントに通信が悪かった。戦闘状態であることが明らかだった。そして索敵モニターは遠くながらもグレミー機のサインをキャッチしていた。

「ったくよ〜、何がどこからどんな感じで来るって?」

「ジジジ・・・・」

通信が1分程、通信雑音が聞こえたのちにいきなりハッキリとした音声がエルに届いた。通信可能なラインまでグレミーがやって来ていた。

「エル!モンドをやった奴が私を追跡してきている」

「なんだって!そんな厄介な奴を何でこっちに連れてきた!」

「総員に退避命令を出せ!」

エルはグレミーが艦を捨てろという命令に当然問いただす。

「何で艦を捨てなければならないの!」

「無人艦でも大きな的だ。私の帰る母艦が無くなれば私が更に窮地に立つだろう。そう思わせるためだ」

エルは戦慄した。グレミーの言い回し方はまるで自分が囮になるようなことを言っていた。

「グレミー・・・私たちだけ助かろうなんて!」

「業務命令だ!早くしろ。選択の余地はない!」

「そこまで・・・そこまでしないといけないのか!」

「そこまでの敵だ!通信を切る」

グレミーによって一方的に通信が切られた。エルは震えながら、全クルーに艦内放送で退避命令を下した。

「総員退避!脱出シャトルへ急げ!砲撃手は遠隔処理を仕掛け、退避完了後グレミーの方角へ威嚇射撃。ビーチャへ進路の変更を伝えるんだ。目的地は地球圏サイド3宙域」

そこからの艦内のクルーの動きは素早かった。10分後には既にシャトルへ皆乗り込み、エンドラより四散していった。

* バウ グレミー機

グレミーは飛行形態で自身の母艦へ向かっていた。追跡するローゼンズールとは幾ばかりか距離は離れた。

「(だが、いつまでも逃げられない。燃料には限りがある・・・ん、しかしあのモビルスーツの拠点は?)」

一瞬過ぎった考え。片道切符の様なものならば、逃げ回ればローゼンズールはガス欠で終わる。若しくは燃料補給に拠点へ引き返す可能性もあ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ