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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■インフィニティ・モーメント編 主人公:ミドリ■■
壊れた世界◆ラストバトル
第六十七話 ゲームオーバー
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るようにいなくなった。それと同時に、シリカの目の前も白く染まっていく。どこかへ昇っていくような感覚に包まれながら、彼女はゆっくりと目を閉じた。



「やっほー、珪子」
「こんにちは、リズ……里香さん。何してるんですか?」
「なにって、ほら、あそこ見てみなさいな」
 カフェテリアで買ったピラフをテーブルへと移すと、シリカはリズが指さす窓の外を覗き込んだ。リズがさっきまで見ていたものを見つけると、とたんに彼女は大声でリズに抗議した。
「ちょっとリズさん、覗きとか趣味悪いですよ!」
「わわっ、シリカ声大きいよ」
「あっすみません……」
 シリカは思わず周囲を見渡すと、小さく縮こまってコップの水を一口頬に含んだ。リズも紙パックのジュースを音を立ててぢゅーっと吸いながら、再び窓の外を見る。
「あいつら、あんなにベタベタしなくてもいいってのに」
 リズの視線の先では、SAOから無事帰還したキリトとアスナが二人仲良く同じベンチで肩を触れ合わせながら話していた。シリカもそれを尻目に、エビピラフを口に運ぶ。
「あんたもどうせいいなーって思ってるんでしょ」
「そりゃそうですよう。いいなー二人とも」
 はぁ、とシリカはため息をついた。
 SAOが解放されてすでに3ヵ月が経過していた。日本政府は、SAO事件に巻き込まれた中学生・高校生たちを十把一絡げにして一つの学校に押し込むことで、事件の被害者に対する援助とした。まあ要するに対応に困って一つの場所で管理しようとしただけなのだが、SAOでできた友達とも再び会うことができて、シリカたちにとってはよかったと言えるだろう。社会人や大学生の友人とも、やがて連絡が取れるようになったが、これは最後にラスボスを倒したシリカを真っ先に訪ねてきた菊岡誠二郎氏の力添えのためであった。シリカは情報提供をする度に、それと引き換えに連絡の取れない知り合いの安否と居場所を訊いていった。ミドリの事情は複雑だったが、菊岡はミドリ本人にいろいろ話を聞き、安全な実験の被験者にすることと引き換えに、彼の面倒を見ることを約束した。何か企んでいるように見えないでもなかったが、今のミドリには日本政府の保護が必要なので仕方がない。身の安全が保障されるだけありがたいというものだ。菊岡の協力のおかげで、ラスボス戦で戦死しなかった他の仲間との連絡はすべて回復している。

 もっとも、一番連絡を取りたい相手は未だに眠ったままなのだが。

 マルバはまだ意識を取り戻していない。シリカは無事帰還したアイリアと連絡を取り合い、マルバの意識が回復次第病院に駆けつけられるようにしていたが、いまもなお朗報はない。茅場に言われた通り神代凛子も訪ねたが、結局すでに茅場が死亡していたことと、最後に会った茅場は電子化されたコピーであったという驚くべき事実の他には
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