暁 〜小説投稿サイト〜
不定期短編小説 《リア充爆ぜろぃ》
《非リアによって世界は回っている。》
[2/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
間限定のバイトをしていた。その内容は至ってシンプル。『サンタさんになりきろう!』である。つまり園内で白く長いあごひげを付け、全身をお馴染みの赤いコスチュームで包み、そしておじいちゃん特有の口調で接客をするといったものだ。といっても最近のおじいちゃん「ふぉふぉふぉ」みたいな笑い方しねぇよな。昔もしないか。

12月に入ってすぐから俺はこのバイトを始めた。大変だったのはサンタが複数人いてはおかしいというような無駄に徹底した遊園地の方針により、俺以外にサンタはいなかったということだ。

子どもに夢を与えるという役目を一貫した遊園地の、子どもの純粋無垢な心を打ち砕かない優しい取り組みに見られるかもしれない。しかし、それらはすべて建前でしかなく、ただバイトの人数を最小限に減らし、給金をケチる大魔王(=支配人)による裏があるのである。そのおかげで俺は見つかるや否や一斉に客に囲まれ、客足が途絶えない限り延々とサンタごっこをさせられた。

俺が裏ならば、純粋にサンタと戯れる客は表。表がその形を成り立たせている限り、裏では必ず何かしらの犠牲が生じている。逆説的に言って、この世界は犠牲によって成り立っている。

しかし本題はここからで、事件は俺がこの犠牲に身を削るのに慣れてきたころに起こった。犠牲に慣れるってなんだよ、社会の闇に飲み込まれてんじゃねぇか。

その日は珍しく人が少なかった。俺ものんびりと園内をうろうろしてははしゃぐ幼女たちを眺めていた。あっ勘違いしないでね別にロリコンじゃないから。え?じゃあなんでながめてたかって?.....
そこに幼女がいたから?あ、ダメだ本格的なロリコンじゃねぇかこれ。

まぁその話はともかくとして、俺はとあるカップルに話しかけられた。俺が営業スマイルを振りまきながら体を向けたそのとき。衝撃がはしった。

さて、ここで問題。俺の視線の先にはなにがあったでしょうか?

1,俺の彼女が男と手を繋いでいた。

2,俺の男友達が女と手を繋いでいた。

さぁ、どっちもです。......もう考える時間渡すのがもったいないよ。そうだよ、彼女に浮気されたのと友達に裏切られたの両方だったんだ。....おーいそこ。「ざまぁWWW」とか「コポォWWW」とか言ってんじゃねぇぞ?顔面蹴るぞ?

この話のつらいところはさらにある。それは、俺がこのサンタのバイトを始めた理由に関係する。この彼女にクリスマスプレゼントを買ってあげたかったんだ.......。

初彼女に浮気をされる。これはもちろん初の体験だった。しかし、友達に裏切られたのは二回目だ。しかも同じ奴。こいつもう確信犯じゃねぇかなぁ.....なぁ?『切田?』

やったなお前ら。タイトル回収だ。今ここにリア充爆ぜました。拍手!!!

━━━━そしてもう一度盛大な
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ