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干物女
第一章
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                 干物女
 雪路中亜衣実は大きな二重のはっきりした目を持っている、睫毛は長い。鼻の形はよくピンクの唇と白いややふっくらとした柔らかそうな頬が黒く胸まである髪に合っている。その黒髪はさらりとしてかなり奇麗だ。背は一四八位で小柄だが胸も割かし大きく通っている高校の制服も似合っている。可愛い部類に入ると言っていい容姿の持ち主だ。
 しかし亜衣実はいつもクラスで寝ている、そしてやることをやるといつも寝ている、そんな少女でありクラスメイトにはいつも呆れて言われていた。
「まただらけて」
「寝てばかりじゃない」
「何かするつもりないの?」
「一気にこうガーーーーッて」
「ガーーーーッて長嶋さんじゃないから」
 亜衣実は自分の机の上に顎を当ててうっ伏しながら言った。
「私は」
「いや、だから気合入れたらってこと」
「そんないつも干物みたいじゃなくて」
「こうね、やる気を出すとか」
「何かに対して」
「面倒臭いから」
 死んではいないが本当にだらけている言葉での返事だった。
「それも」
「いや、面倒臭いって」
「あんたいつもそう言ってるけどね」
「部活でもしてみたら?」
「帰宅部もいいけれど」
「だって家に帰って宿題して寝るだけだから」
 家での生活も話す亜衣実だった。
「お風呂入ってね」
「まあお風呂毎日入るのはいいけれど」
「一応お部屋もお掃除してるし」
「整理整頓はしてるし」
「やることをやってるのは」
「けれどね」
 そのやることをやる以外はというのだ。
「最低限だけやって後は寝るとかないでしょ」
「何処の生活に疲れたおじさんよ」
「やる気出したら?何か」
「疲れるとかだるいとか言わずに」
「だって面倒臭いから」
 またこう言う亜衣実だった。
「何をするにも」
「だから勉強も赤点は取らない」
「むしろいい方よね」
「けれどそれも赤点取るとだるいから」
「それでっていうのね」
「それならだるくないようにしたいから」
 それ故にというのだ。
「赤点は取らない様にしてるの、けれどね」
「赤点取らないならそれでいい」
「もう充分っていうのね」
「成績トップとかも興味ない」
「そうなのね」
「大学は行くつもりはあるけれど」 
 机にうっ伏したままの言葉だ、両手も机に投げ出して本当に怠けているのがわかる。
「別に頑張るつもりないから」
「大学受かる位の勉強ね」
「行きたい大学の」
「それでそれ以外は寝る」
「そうしていくのね」
「とにかく面倒臭いことはしないから」
 とかくと言うのだった。
「疲れるから」
「じゃあ恋愛も?」
「そっちもいいの」
「興味ないの」
「別にいいわ」
 こちらについてもと言うのだった。
「というか
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