第三章
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「本当は」
「男だから」
「そうなんだけれどな」
「そういえばそうね」
「ディナーは全部出したしな」
その金はというのだ。
「ここはワリカンでもな」
「男として、っていうのかしら」
「そうした考えはあまりないけれどプロポーズはな」
それはというのだ。
「やっぱり男が言うものだろ」
「それでなのね」
「言おうと思ってたけれどけれどな」
「もう結婚してもいいでしょ」
「付き合って長いしな」
それでお互いの長所と短所も理解してお互いに受け入れているからというのだ。
「じゃあな」
「結婚してね」
「やっていきましょう」
二人で話してだ、そしてだった。
この夜から暫く経って二人は籍を入れて一緒に住むことにした、そしてだった。
智和は自分と結婚した美由紀に二人が家から帰ってくつろいでいる時にこんなことを言った。
「結婚する前にホテルで一晩泊まったな」
「あの時ね」
「あの時俺の部屋は無理だって言ったな」
この時のことを話すのだった、二人で美由紀が作った料理を食べながら。
「あれ実はな」
「実は?」
「俺の部屋その時ずっと掃除してなくてな」
「散らかってたのね」
「だからな」
それでというのだ。
「部屋に入れることが出来なかったんだよ」
「そうだったの、それならね」
美由紀は智和の言葉を聞いてこう返した。
「私もよ」
「そっちもか」
「そうよ、私もあの日はね」
「部屋は散らかってたんだな」
「ずっとゴタゴタしてて」
「掃除出来なかったんだな」
「そうだったのよ、もう何処もね」
その時事情を話すのだった。
「だからだったのよ」
「俺もだった」
「忙しくて」
「普段は休日に掃除するんだがな」
それがというのだ。
「休日出勤も続いて」
「ブラックな状況だったのね」
「近かったかもな」
そこまで忙しかったというのだ。
「残業はなくてもな」
「仕事終わって何かしようっていうのはね」
「その仕事が忙しいと疲れててな」
「そういうことよね」
「それでだよ、一人暮らしだったからな」
その時はというのだ。
「もうな」
「忙しいとね」
「部屋が散らかってたんだよ」
「私は休日出勤はなかったけれど」
「そっちは残業か」
「それが続いてあのデートの時は無理して時間開けられたけれど」
しかしというのだ。
「ずっと残業ばかりでへとへとで」
「休日も休んでるだけか」
「そうした状況だったから」
「掃除も出来なかった」
「そうだったのよ」
美由紀は美由紀でというのだ。
「とてもね」
「二人共掃除はな」
「ちゃんとする方だけれど」
案外少数派になるかも知れない、世の人々の中では。
「それがね、忙しくて」
「それで俺は部
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