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IS ーインフィニット・ストラトスー 〜英雄束ねし者〜
17話『犠牲』
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を噛み締める。両親とも引き離されて束の実の妹と言う事で執拗に監視される始末。
(剣道を続けていたのも秋八との繋がりを失いたくなかっただけなのに……あいつは!)
何度も思い出してしまう、傍から見れば無駄の無い動きと年下とは思えない鋭さを持った一閃。結果、箒の敗北は大会において最短記録となってしまった。
(お前が……私と秋八の繋がりを奪った。私には無いものを幾つも持っている奴が……あんな奴が! ああそうだ、あいつが卑怯な手を使ったに決まっている! あの時も四季もそうだ!)
「やあ、箒。あまり根を詰めすぎるのも体に悪いよ」
「ああ、すまない、秋八」
……タッグトーナメントで彼女と組む為に仲を深めておこうと画策している秋八だったりする。
「実は打鉄が借りられなかったんだ。私がこうしている間にも、専用機持ちの連中は秋八と訓練している。これでは不公平では無いか」
「そうだね。確かにちょっと不公平だよね。特に四季の奴は専用のアリーナまで仕える始末だし」
「そうだな。本当に卑怯な奴だ」
思い浮かべるのは他の専用機持ち達の事……。専用機持ち達とISの経験が開いていく一方の己……。
「私にも……専用機が有れば」
「だったら束さんに頼んでみたらどうかな? 束さんならDEMよりも強力な専用機を作ってもらえるはずだし」
「ああ、力を手にするにしても、ISが無ければ始まらない」
秋八は心の仲で笑みを浮かべながらいつもの一見爽やかな笑顔を浮べる。早めに彼女に専用機を与える事ができればタッグトーナメントでの勝率を上げる事ができる。そう考えての行動だろう。
だが、そんな彼らを黒い影が眺めていた。……黒い忍び装束に身を包んだ単眼の下忍。此処最近その一群が隠密ガンダムとは別口でIS学園に忍び込み、現在ガンダム忍軍とIS学園を舞台に陣取り合戦を続けている。まあ、此処の能力の高さで現状はガンダム忍軍の方が優位らしい。
二人の会話を盗み聞きしていた下忍は素早く他の下忍へと連絡をつけるが、連絡をつけた下忍がIS学園から離れた瞬間、即座にその下忍は隠密ガンダムによって排除される。
―IS学園に力を求める者有り、利用できる可能性大―
そう書かれた手紙を敵の本陣へと届けられる事となる。
「えっと……」
さて、詩乃と放課後のデートを楽しんでいた四季は“それ”の前で呆けてしまっていた。他の者にはまだ以上は認識されていないが、僅かな期間とは言えデジタルワールドを経験した四季にならば、その以上は性格に理解できる。
「デジタルワールド……? いや、違う」
それは小規模なデジタルワールドと言ったところだろうか? 狭い路地裏だが空間が歪んでいる可
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