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IS ーインフィニット・ストラトスー 〜英雄束ねし者〜
17話『犠牲』
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「……それは、オレが一兄の立場だったら、シャルロット・デュノアを助けるかって事か?」

「そうじゃない。……ただ、お前が言う助ける理由がある奴だったらどうするかって……」

「助けるさ。誰が相手でも、どんな事をしても、どんな手を使ってでも……相手を完全に、徹底的に叩き潰してな」

 ふと、その状況を想像するとそれだけで自然と殺気が湧き上がる。そんな風に詩乃を苦しめ、傷付ける者を許すわけには行かない……二度とそんなマネが出来ない様に徹底的に叩き潰した上で……ふざけたマネをした事を後悔させた上で……。

「っと。悪い」

 四季の殺気で固まっていた一夏とシャルロットの二人に気が付いて、悪いと謝罪して四季は一夏達の部屋を後にする。……寮と言う事もあって最悪秋八や箒とエンカウントしたくないと思いながら寮の廊下を歩きながら立ち去っていく。




 無事、二人に会う事無く寮を出るとすっかり日が落ちてきた空を眺めながら四季はヴレイブとゼロ炎へと視線を向ける。

(……前回のクラス対抗戦の時に動きが有ったんだ。……ヤツラは次のトーナメントでも動くはずだ)

 そう何度も月からの戦力の投入は起こらないだろうと推測している。恐らくは次は地上にあるはずの地上拠点からの襲撃になると推測している。月からの戦力投入は大規模で起せる代わりに分かり易いのだ。何度も単調で大味な行動をするほど敵も馬鹿では無い。逆に此方の裏をかいてくる可能性も有るが、そもそも月からの攻撃は後手に回った所で対応し易いのだ。

 バイクに跨ってヘルメットを手にとった時、四季の視界の中に何処かへと向かって行く秋八の姿が映った。

(秋八。……あっちは剣道場の方だよな……何の心算だ?)

 何をする心算なのかと疑問には思ったが、秋八と剣道場と言う組み合わせは自動的に篠ノ之箒の存在が浮かび上がるので、それ以上は考えないことにする。




(けして受ける事無く、剣戟を流し。己が身に密着して放つ一撃の閃き)

 一人剣道場で竹刀を振っていた箒の頭の中に浮かぶのは何時かの大会の決勝。竹刀を振りながら思い出すのは決勝の相手、記憶の中の箒の竹刀を受け止めた対戦相手はそれを避けた上で一瞬で竹刀を打ち込まれた。

 一瞬……ほんの一瞬で彼女の目指していた秋八との繋がりは断たれた。……小四の頃の秋八との約束……もしあの時優勝できていたら、自分に勝った彼女と同じ様に己も喜んでいただろうと思うと……余計に憎しみが湧いてくる思いだった。

(全部束姉さんのせいだ。……一度だけ秋八に手紙を出したくて書いた手紙も、『居場所が第三者にしられるのは困る』と言う理由で出すことも出来なかった。秋八との繋がりを断たれたのだ)

 自然と竹刀を握る手に力が入り、強く奥歯
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