第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#29
ETERNAL PUNISHMENT〜PHANTOM BLOOD NIGTMARE]W〜
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自分の周囲では着弾せず弾道は逸れたから
「測定射撃」 だと想った。
にも関わらず逆方向から爆風が来た。
ブレる視界の中、改めて考察すると詳細は以上、
ならばコレが敵の 『スタンド能力』
“射撃の弾道を変えられる” 能力か?
速度と威力を落とさず、否、増幅させて。
ならば、厄介以上に狡猾な能力だ。
戦闘に長けた者ならば、相手の攻撃予備動作に反応する、
“イヤでも反応してしまう”
しかし実際に攻撃が来るのは予測と逆方向、
意識の間隙を縫って裏をかかれると言い換えてもイイ。
ならばコレは、“相手が強ければ強いほど” 有効な能力。
初弾に対する「反応」が速ければ速いほど、
屈曲した弾道に意識は追いつかない、追いつけない。
「うぅ……ぐ……ッ! あぁ! うっ!」
ゴグリと外れた肩を強引に嵌め込んで、
苦痛に神経を苛 れながらも花京院は立ち上がった。
自分はまだ戦闘の序盤、牽制を挟みつつ相手の動向を窺う段階だと
想っていたがとんでもない。状況は既にして最終段階。
敵は速攻で自分達を始末するつもりらしい。
(やはり “測定射撃” だ。 敵は、ジョンガリ・Aは、
“ボクで” 砲撃の着弾精度を 「計算」していたんだ……!
“まだ知らない者を” 確実に葬るため……!)
想定外の状況でも一部を翳めていた己の「理」
しかし冷たい焦慮が心中を毟る。
(先刻からのライフルの狙撃。
明らかにミス・マージョリーの方に向けた数が多過ぎる……!
接近に焦っていると見せ掛けて……
ライフル弾を簡単に躱せていたなら、
次は砲弾が 『逆方向』 から直撃する……ッ!)
「ミス・マージョリーッ!」
「なぁにッ! ノリアキッッ!!」
理由も解らず湧き上がった強い気持ちに、
あっさりとその対象が応えた。
トン、と、ヒールの爪先、遙か頭上から舞い降りてきたとは
想えない軽やかな音を立て、蒼炎の美女が眼前に立つ。
その表情は、体力の消耗とは全く別の焦燥に駆られていた。
そして負傷した花京院の姿を認めると同時に、
世紀の美貌がみるみる凶悪に変貌していく。
「あンのクソヤロー……ッ!
私に当たらないからってノリアキの方を……!
まださっきの傷が治ってないのに……!」
黄金比のプロポーション、その全身から蒼い炎気が
バチバチと火花を伴って爆ぜる。
裂ける寸前まで散大した瞳孔が貫くは遙か先、
その狂暴な視線を、猛禽の瞳がニヤリと眇める。
(ダメだ……! ミス・マージョリー……!
その “怒り” こそが相手の 『狙い』 なんだ……!
冷静さを失っては勝ち目がない……! 二人とも殺される……!)
先の状況と違い羽交い
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