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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#29
ETERNAL PUNISHMENT〜PHANTOM BLOOD NIGTMARE]W〜
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ボク達の接近を怖れてどこかに逃げたのか? イヤ、違う」
 他の場所で行われている激戦を鑑みれば
寧ろこちらが平穏と想える異邦の静寂。
 その中、花京院 典明は随時スタンドを出せる態勢を保って停止した。
 常人では気づかない、気づきようがない、空気の変化。
 得体の知れない危機が差し迫る、
冷水に濡れた手が直接神経を撫ぜ廻しているような、
異質な感覚。
 複数在る異能者の系統でも、
『スタンド使い』 にしか身に付かない特性では有るが、
幼き頃より幾多の死線を潜ってきた花京院の感覚は卓越したモノがあった。
 というより、この感覚がなければ今日彼は生きて此処に居ない。
 スタンドバトルは、第 一 撃(ファースト・ヒット)がスベテ。
『能力』 の解らない相手なら尚更、第三者の援護でもない限り、
一度極まってしまえば大抵はそのまま異能の喰いモノにされる。
 一見女性と見紛うような、中性優美な風貌を持つ彼だが、
歴戦の経験は戦場の猛者にも劣らない。
 惨苦叫喚相食む 「修羅場」 には似つかしくない姿だが、
裡に宿るその精神は(まさ)しく 『男』 で在った。
「――ッ!」
 突如前方から迫る、明確な殺意。
 常人では過程も結果も認識出来ずただソレに巻き込まれ絶命するのみだが、
花京院は意識よりも速く、躰に染み着いた動きで瞬時に背後、
射程安全圏内へと飛び去る。
 爆音。
 ただし “後方で”
 完全に回避したと想えた花京院の動作は、
逆にそのまま爆風への交差撃(カウンター)となり、
華奢な躰は飛び散る瓦礫に撃たれながら路上へと叩きつけられた。
 近距離での着弾音による聴覚へのダメージ、爆風による火傷裂傷、
受け身も取れずコンクリートに打ち付けた左肩は完全に関節が外れている。
「本体」 のダメージ=スタンドのダメージ、
相手の能力が解らない状態で厳しい先手を打たれた。
“ハメても” この戦闘中、左腕は使い物にならないだろう。
「……う……ぐぅ……バズーカ砲でも、撃ち込んできたのか?
でも 「気配」 は前方から来た……なのに何故 「後ろ」 が爆発する?
まるで全く 『逆方向』 から、もう一人の(スナイパー) が
狙撃したようだ……」
 無惨に損壊した、オフィスビルの2階。
 その破壊形状、散乱する瓦礫の模様から、
砲弾は前方から着弾したのではない、
明らかに “後方から” 貫通したものだ。
 しかし、そんな事は物体の 「慣性上」 有り得ない、
最新鋭の誘導機器を使っても、高速直線軌道を直角に捻じ曲げるような
追尾は出来ない筈だ。
 第一、 “遠隔操作能力” の熟練者(エキスパート)である自分が
同じ遠隔攻撃の軌道を見誤る筈がない。
 明らかに砲撃は前方から来た、
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