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マイ「艦これ」「みほ3ん」
EX回:第1話<嵐の向こう側>(改2)
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見せる夕張さん。青葉さんもしきりに頷いている。

 それから秘書艦の祥高さんと、少し言葉を交わしていた彼女は私の隣の座席に戻ると、改めて声をかけてくる。
「今回は急な話だったが……驚いたか?」

「ハァ、さすがに」
私がそう応えると彼女は眼鏡の縁を押さえて微笑んだ。

「フフ、無理も無いな。着任して日が浅いお前に、いきなり海外遠征の命令だからな」
「……」
何となく私たちの会話を、周りの元気な艦娘たちも聞いているようだった。
特に秘書艦と日向、それに青葉だ。

 激しい雷鳴と雷光の中、彼女は続ける。
「お前は『量産型艦娘』の話は知っているか?」
「はい。先日、呉の監査官から、その件はチラッと」

彼女は頷く。
「それなら早い。何となく察していたとは思うが、今回の遠征相手は、まさにその『量産型艦娘』なのだ」

 私たちのやり取りに他の艦娘たちは、ざわついた。

すると青葉が手を上げる。
「あのぉ、何処かの実験施設では、もう実用段階に入ったとか?」

参謀は頷いた。
「そうだ。今日行くブルネイに、その大規模な実験施設がある」

日向が口を開く。
「司令は、ご存知でしたか?」

「いや……そもそも、こういうことは機密であるし、弱小な美保鎮守府には縁の無い話だと思って、あまり気にも留めなかった」

「そ、そ、ソレ、ホントですか?」
「何だ?」
私が振り返ると青白い顔をしながら金剛が叫ぶように言った。

「艦娘は量産化されるんデスか?」
「一応、出発前に説明しただろう?」

すると横から比叡が割って入る。
「き、聞いてませン!」
「ぽいっ!」

……呆れた。
「お前ら、海外遠征ということだけで、舞い上がって聞いちゃ居なかっただろう?」

『……』
全員無言か。図星のようだな。龍田さんと夕張さんが苦笑している。

「機長」
参謀は前の操縦士に声をかけた。

「この嵐の状況は?」
すると二人並んで座っている操縦士の一人が振り返って言った。

「はい、これは気象図には無いゲリラ的なものですが、まぁこの辺りでは珍しくない
一時的なものです」
「……だろうな」
何だ、参謀も分かっているのか。

すると赤城さんが窓の外を見ながら不安そうに呟く。
「でも、日本の嵐よりも激しいですね。この機体で大丈夫かしら?」

「何だ」
参謀が振り返る。

「お前は正規空母のくせに、南方のスコールは未体験か?」
彼女の鋭い眼光に晒された赤城さんだったが、さすが一航戦、まったく動じない。

彼女は黒髪を気にしながら答えた。
「いえ……ただ、ここまで激しいのはちょっと……」

すると参謀は席に戻って言った。
「まぁ、海上と空中では、また勢いが違うからな」

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