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真田十勇士
巻ノ六十七 関白秀次その一

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                 巻ノ六十七  関白秀次
 関白となった豊臣秀次が都に入り聚楽第に住むことが決まった、幸村は家臣達からその話を聞いて述べた。
「では聚楽第に入られたらな」
「すぐにですな」
「挨拶に行かれる」
「そうされますな」
「そうしなければな」
 絶対にというのだ。
「ならんからな」
「真田家として挨拶をする」
「そうしなければですな」
「ならぬので」
「そうじゃ、しかし思えばじゃ」
 ここでこんなことも言った幸村だった。
「拙者は今まであの方にお会いしたことはない」
「そういえばそうですな」
「あの方にお会いしたことはないですな、殿は」
「太閤様にはありましたが」
「それでも」
「うむ、お会いすればな」
 まさにというのだ。
「これがはじめてじゃ」
「左様ですな」
「そうなりますな」
「だからな」
 それでというのだ。
「少し不安がある」
「どういった方か」
「お会いするにしても」
「そうなのですか」
「そうじゃ」
 こう家臣達に言うのだった。
「だから不安ではある」
「伝え聞くところによるとです」
「悪い方ではないとのこと」
「そのご資質もです」
「関白様、天下人に足ると」
「そうは聞いておる」
 幸村にしてもというのだ。
「しかし百聞は一見に然ずじゃ」
「だからですね」
「そのことを見る」
「そうされたいのですね」
「そうyじゃ、ではお会いしよう」
 秀次にというのだ、こう話してだった。
 幸村は聚楽第に参上しそこにいる秀次と会う用意を進めていった。そしてそのことを決めてからであった。
 その日になりだ、出発しようとする幸村に十勇士達が言ってきた。
「殿、ではです」
「我等もお供します」
「これより」
「うむ、頼むぞ」
 幸村は十勇士達に笑みで応えた。
「この度もな」
「しかし、何故我等なのか」
「禄も身分も低いですが」
「何故その我等が供なのでしょうか」
「それがわかりませぬが」
「実は先日関白様から文があってな」
 それでとだ、幸村は十勇士達にその辺りの事情を話した。
「拙者と共にじゃ」
「我等も参上せよ」
「聚楽第にですか」
「そう言ってこられたのですか」
「太閤様が」
「そうじゃ」
 まさにというのだ。
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