第一章
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服の下は
この日はクラスメイト達と市営プールに行く約束をしていた、それで黒川千秋は朝御飯を食べるとすぐにその用意をしていた。
黒髪を頭の後ろで左右に分けて垂らしている、わりかし長い髪なのでツインテールになっている。どけなく幼さの残る顔で目は優しい感じだ。細い眉もその目に従う様に優しげである。学年は小学五年生である。
千秋は自分の部屋で持っていくものを鞄に入れていた、そこで同じ部屋の姉の一夏、千秋より一年上で六年生の彼女が用意をする妹に言った。
「水着着ていったら?」
「水着?」
「そう、それね」
用意をする妹に自分は夏休みの宿題の一つ読書感想文の題材にする宮沢賢治の小説を読みつつ言った。
「そうしたら?」
「水着をなの」
「そうしたらあっちで服脱いだらね」
「そのまま泳げるから」
「楽よ」
こう言うのだった。
「だからどう?」
「そうね」
千秋もだ、言われて頷いてだった。姉に対して言った。
「それじゃあね」
「やってみるのね」
「そうするわ」
こう答えた。
「今からね」
「それが楽だからね」
「お姉ちゃんもそうしてるの」
「学校でプールがある時は時々ね」
「そうだったのね」
「そう、だからあんたもね」
また妹に言った。
「してみたらいいわ」
「それじゃあね」
千秋はすぐに鞄から水着、普通の紺色のスクール水着を取り出した。そうして一旦服を脱いでだ。そこから。
スクール水着を着た、そのうえで姉に言った。
「ここからよね」
「服着たらいいわ」
「それじゃあ」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「ちゃんと下着は持って行きなさいよ」
姉は妹にこのことを言うことも忘れなかった。
「ちゃんとね」
「あっ、そうね」
「ええ、下着を忘れたらね」
それこそというのだ。
「あんた帰りは下着なしで帰ることになるわよ」
「スカートの下はパンツなしね」
「それでいい?」
「いい訳ないわよ」
即座にだった、千秋は一夏に言い返した。
「そんなことはね」
「そうでしょ、じゃあね」
「それじゃあ」
「下着忘れないでね」
「わかったわ」
姉の言葉に頷いてだ、千秋はさっきまで穿いていたその下着を探した。しかし下着は傍にあった筈だったが。
見回してもなくてだ、困った顔で言った。
「あれっ、ないわ」
「そんな筈ないでしょ」
姉はもう読みはじめていたl、視線を文章にやりつつ言った。
「その辺りにあるでしょ、このお部屋で気付いたんだから」
「その筈だけれど」
「仕方ないわね、じゃあお姉ちゃんの貸してあげるわ」
「お姉ちゃんのパンツ?」
「あんたの下着あったら別だけれど」
「実は今全部選択中なの」
何枚かあるその
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