第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#28
FUTURE’S MEMORYW〜Diamond Over Drive〜
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』
抱えられた手の中、淋しそうに項垂れるスタンドの身体が、薄らぎ始めた。
持続時間の終わり、スタンドは 「本体」 の元へと戻る。
当たり前の事、解りきった事、にも関わらずジョセフは
そのスタンドが消え去る事に恐ろしい喪失感を抱いた。
「まてッ! まってくれ!! おまえの名前は!! 今どこにいるんだ!!」
あらん限りの気持ちを込めて、
ジョセフは消え行くスタンドに叫んだ、叫び続けた。
甦る 「記憶」 と、そして確信。
絶対そうだ。
“絶対そうだッ!”
「淋しく、なかったか? オレがいないせいで、イジめられたりしてないか?
今まで苦労しただろう? お母さんは元気か?」
五年前の、「過 ち」
妻を心から愛していながらも、
それでもどうしようもなく惹かれてしまった、
“一人の女性”
名前以外、何も知らない、アノ夜に、まさか、この 『子』 が……
死の間際にも感じなかった後悔が、否応なくジョセフを苛んだ。
先刻負った深手など、この 『子』 が今まで堪えてきた 「痛み」 に較べれば、
存在しないも同然だった。
「ごめんな……今まで知らなくて……本当に、ごめんな……」
辛くないわけがないだろう!
ジョセフは本気でブン殴ってやりたいほどの怒りを己に感じた。
自分が、 “同じ” だったのだから。
母親が生きていると知った時、
本当に心の底から嬉しかったのだから。
「知らないでごめんなさい」 じゃすまされない。
この 『子』 は、スタンドだけになってでも、
遙か遠くから、たったひとりぼっちで、自分に逢いに来たのだから。
『……』
止め処ない、悔恨の涙、それを、消え行くスタンドの小さな手が拭った。
光で表情は伺えないが、感じるのは無垢な笑顔、
恨みも憎しみもなく、ただ、ジョセフに逢えた事を喜んでいた。
そう、そのような感情で、ある筈がない。
そうでなければ、小さな子供が精神のみで、
その 「法則」 も無視して此処まで来れる筈がない。
子は親を慕うもの、その手が届かなければ、せめてその 『精神』 で……
「ぁ……」
羽根が生えたように、スタンドの身体がジョセフの手から離れて空に浮かぶ。
煌めく光に溶け込みながら、その 『子』 は静かに手を振っていた。
たった一つの言葉を、何度も何度も呟いて。
届かない手、それでも伸ばす、失わない、失えない、
だから、懸命に叫ぶ。
「必ず! 必ずおまえをみつけてみせる!
この世界のどこにいようとも!! 例え何があろうとも!!」
恐らく、この 『子』 も、ホリィと同様
“DIOの呪縛” に蝕まれている。
だから、自
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