第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#28
FUTURE’S MEMORYW〜Diamond Over Drive〜
[3/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
たのだから。
物理では絶対に起こりない現象、
しかし事態は “ソレだけに” 留まらない。
『う、うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――!!!!!?????』
スタンドの直前で止まったイルヤンカの巨体が、
突如背後へと引っ張られた。
その暴威も質量も関係なく、何かの 『法則』 であるように。
まるで時間の逆行、或いは高次元存在の手が
時空の狭間から伸びてきたようだった。
そのまま全身を覆う高密度の 『幕瘴壁』 が雲散霧消していき、
前突のエネルギーは問答無用で対極のベクトルに置換される。
吹き抜ける “気流すら感じない”
抵抗も出来ない力の 「逆行」 の中でイルヤンカは、
己を縛る 『能力』 の、ソノ真の恐ろしさを目の当たりにした。
なんと “戻っているのは” 自分の巨体と 『幕瘴壁』 だけではない。
高速で通り過ぎた逆行軌道 “その風景”
瓦礫の残骸、折れた街路樹、抉れた大地までもが同じように
“元へ戻り始めているのだ”
コレは、フレイムヘイズや紅世の徒が存在の痕跡を消すため
「修復」 するのとは根本的に違う。
前述の法儀は “封絶” の中でしか意味をなさないが
コノ 『能力』 は場所も空間も関係ない、
おそらく世界が壊滅して一面の焼け野が原と化しても
「再生」 を可能とするだろう。
そうでなければこの自分が成す術もなく従属を強いられる筈がない。
イルヤンカと同じく、スタンドを挟んで対に位置するジョセフも
『能力』 の本質を正鵠に明察していた。
そして味方で在るにも関わらず、
その 『能力』 の絶対性に畏怖にも似た寒気を覚えた。
( “治す能力” 言葉にすると単純だが、
その 『応用力』 を考えると恐っそろしい 『能力』 だ。
どんな威力の有る攻撃も、全部 “元通りに” 直されちまう。
つまり、真正面からの物理攻撃はスベテ無意味。
波紋やスタンドも全部 “使う前に” 戻される。
能力の対象に制限がねぇから――
だからオレは怪我が治ったし、イルヤンカは突進する前に戻された……!)
戦闘時は頭が冴えるとはいえ、どうしてここまで
初見の 『能力』 の事が解るのか、
不思議に想いながらもジョセフは大地を蹴って跳躍した。
誰かは解らないが心から大切と想える者、
その者がくれた 『奇蹟』 を無駄には出来なかった。
( “仕切り直し” だと想うな……イルヤンカ……
この 『能力』 を受けた時点で、アンタはもう 「敗北」 している……
オレじゃあなくて 『コイツに』 だ……ッ!)
寄り添うように、当たり前のように、天を駆ける自分の隣にスタンドが来る。
それがとても自然で嬉しくて、みえない心の空白にピースがはまったような、
不思議な
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ