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IS ーインフィニット・ストラトスー 〜英雄束ねし者〜
13話『思惑』
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 一瞬、見惚れるほどの笑顔で#マークが浮かんでいる詩乃さんの顔を思い浮かべて寒気を感じた。




(あれが……DEM社の最新鋭機)

 Hi−νガンダム・ヴレイブを……睨み付けると言うのが正しい険しい表情で見上げているシャルルが己の専用機の待機状態を握り締める。
 デュノア社で販売されている真耶が纏っている量産機『ラファール・リヴァイブ』と同じタイプの“万能型”と世間では認知されているDEMの代表的なISとされている第三世代機で、世界初の量産型第三世代機の母体となった機体としても、DEMの看板と言っても良い機体で、デュノア社にとっては世界三位のシェアを持っていたデュノア社がIS本体の開発権を取り上げる瀬戸際に立たされている原因となった機体でも有ったりする。

 DEMの企業代表にして三人目の男性操縦者の四季の専用機であるヴレイブの性能を見せる為のIS委員会を相手に世界中継で模擬戦を行う事になった。
 その際に選ばれたのは万能型とされているラファール数機対ヴレイブ一機での専用機とのスペック差を考慮しての試合だったが、ラファールは全機がヴレイブのSEを削れる事も無く全機が敗北した。
 まあ、操縦者を選ばないラファールに対してヴレイブは四季の為だけに生まれた機体であり、初期第三世代機に劣らない第二世代最後期の機体とは言えヴレイブは最新鋭の……異世界の技術さえ使われて完成した機体だ。

 当然、世間の目ではDEMの技術力の方がデュノア社よりも上と判断し、軍用機として採用が決定した。今後徐々にラファールから量産型νに移して行く予定らしい。それでも、デザインの面でラファールを好む者も多く、競技用ではまだまだラファールの人気はある。……人気は有るのだが、未だに第三世代機の開発さえ出来ていないデュノア社に対して、フランス政府はある事情も有り、今年度中に第三世代機を開発できないなら、デュノア社からISの本体の開発権を取り上げる決定をしたそうだ。
 更に他の欧州の国々はDEMからの技術提供で得た技術で大幅に技術力を上げている中、フランスだけが受けられずにいる。
 そのトップに居るのはイギリスであり、BIT兵器の発展型である『ファンネル』と『インコム』の技術を受けたブルーティアーズ型の三号機を開発中だとか……。

(ごめんね、一夏。君の優しさ、つけ込ませてもらうよ……)

 心の中で一夏へと謝罪してシャルルはHi−νガンダム・ヴレイブを見据える。
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