暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
真・魔人-ファウスト・ツヴァイ-part1/ウェザリーの野望
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つ雰囲気が変わった。それに真っ先に、サイトの中にいたゼロが気づいた。
『サイト!』
「っ!ルイズ、下がれ!」
「サイト!?」
サイトは背中からデルフを引き抜くと、ルイズを自分の背後に下がらせ、兵士に対して鋭い視線を向けた。
「おや、もう気づいたの?もう少し付き合ってくれた方が演技のし甲斐があったのに」
兵士の声が、男性らしいそれから、女性の声に変わっていた。さっきまで男だとばかり思っていただけに、かなり奇妙な光景だった。
「あなたは、一体…」
「…待って。芝居って…それに今の声って!」
ルイズもサイトも、兵士の口から放たれた今の女の声には聞き覚えがあった。
「ふふ、気づいたようね…」
トリステイン兵に化けたその女は、どこからか杖を取り出し、一振りすると、ビュウ!と風が舞い、兵士の姿を一瞬にして変えた。
その兵士の正体は…

「ウェザリー!!」

獣の耳を生やした美しい女、ハルナをファウストとして操っていた張本人であるウェザリーだった。
当然三人は警戒を高め、それぞれの得物を握る手に力を入れた。
「今の…『フェイスチェンジ』!」
「フェイスチェンジ?今のって魔法なのか!?」」
「ええ、スクウェアクラスの風系統の魔法よ、サイト。体の一部から姿全体まで、自分の姿を思いのままに変えられるわ」
ルイズの口から飛んできた名前を聞いて、サイトが声を出すと、ルイズがフェイスチェンジについて簡潔に説明した。
「よく学習してるわね」
「それくらい学んでるわ。馬鹿にしないで」
座学じゃ学年一のルイズにとって簡単な知識のようだ。逆にこの事で誉められると、少しバカにされたような気がして、ルイズはウェザリーを睨む。
「ウェザリーさん、ハルナはどこなんだ?」
サイトは、ハルナ降りかかる災いの元凶であるウェザリーに剣先を向けた。
「サイト、それが人にものを尋ねる態度?それに、ミス・ヴァリエールとハルナの間をふらふらして…それでも男?」
「ッ!ふざけてないで答えやがれ!!」
わざとらしく話を反らそうとしたウェザリーに、サイトはイラつきを覚え怒鳴り散らした。舞台の指導を彼女から受けていた時は、自分の辛い過去を物語り、それでも強く生きて見せていた女性だと思っていたのだが、実のところはハルナを道具のように扱う非道な女だった。そう考えると、たとえ彼女の過去が本当の事だろうと、彼女への怒りを強く感じずにはいられなかった。
「そんなに慌てなくても…会わせてあげるわ。
さぁ、来なさい『人形』」
ウェザリーは呼び出しの指をパチンと鳴らすと、彼女の背後から、サイトが強く助けたいと願う少女が現れた。
「…ハルナ」
「…」
サイトはハルナの顔を見て、憂うような眼差しを向けた。ファウストが自分であることを明かしたあの時と同じ、ポニーテールに結われ
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