第1章
旧校舎のディアボロス
第10話 友達、救います!
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も無駄なのよ」
「いやです! 人を殺めるところに戻れません! レイナーレさま!」
レイナーレ──アーシアが夕麻ちゃんのことをそう呼んだ。それが夕麻ちゃんの本当の名前か。
「アーシアを渡すか!」
俺はアーシアを守るように前に出る!
「汚ならしい下級悪魔の分際で、気軽に話しかけないでくれるかしら?」
レイナーレは心底、俺を見下したふうに言う。
俺の脳内で夕麻ちゃんとの記憶が呼び覚まされる!
くそッ! あいつは堕天使だ! 俺の知っている夕麻ちゃんはいないんだ!?
夕麻ちゃんの姿がちらつく中、俺は自分にそう言い聞かせる!
「神器ッ!」
俺は神器を出す!
「・・・・・・・・・・・・ぷっ! あはははははッ!」
レイナーレが俺の神器を見た瞬間、盛大に笑い始めた!
「何かと思ったら、ただの『龍の手』! 力を倍にするだけの神器の中でもありふれたものじゃない! 下級悪魔にはお似合いねぇ!」
うるせぇ! 知ってるよ、もう!
「あなたの持つ神器が危険、そう上から連絡があったから、あんなつまらないマネまでしたのに──好きです! 付き合ってください! ──な〜んてね♪ あのとき、あなたの鼻の下の伸ばしようったら! アッハハッハハハハハ!」
「うるせぇ! 黙れ!」
レイナーレの言葉にカッとなり、神器を装着した左腕を彼女に向ける!
「そんなものでは、この私に敵いはしないわ! 大人しくアーシアを渡しなさい?」
「いやだ!」
「邪魔をするなら、今度こそ完全に消滅させるわよ?」
「友達くれぇ、守れなくてどうすんだ!」
たぶん、敵わない。明日夏からも、「堕天使と戦うな」、「非常時は逃げろ」って言ってた。でも、こいつが大人しく逃がしてくれるとも思えないし、逃げきれるとも思えない!
さっきの電話で不審に思った明日夏が急いでこっちに向かってきてるはずだ!
なら、明日夏が来るまで、時間を稼ぐくらい!
「動け! 神器!」
『Boost!!』
篭手から音声が発せられた瞬間、俺の体に力が流れ込んでくる!
これが、俺の力が倍になった証だ!
よし、あとは明日夏が来るまで──。
ズブッ!
「──えっ?」
俺の腹から鈍い音が鳴った。
見ると、俺の腹を光の槍が貫いていた。
「ごふっ・・・・・・」
槍が消え、腹に空いた穴から血が吹き出ると同時に、俺は崩れ落ちてしまう。
「きゃあああああっ!? イッセーさん!?
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