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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十八話 天王山を奪取します!
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んな話をしてしまって。申し訳ないことをしたわ。」
部屋に戻ろう。イルーナは踵を返そうとして不意に足を止めた。手がつかまれていたのだ。ラインハルトによって。彼は怒っているのではなかった。普段アンネローゼやイルーナ、アレーナらと話す時と全く同じ顔をしていたのだった。キルヒアイスもだ。
「ですがイルーナ姉上、まさか『弟』である私と踊れない、などという事はないでしょう?」
「ラインハルト?」
「前世が何だというのですか。そんなものは既に精算が済んだはずです。・・・キルヒアイス、すまないな、しばらくしたら戻ってくる。」
そういうと、ラインハルトはイルーナの手を引っ張ってダンスの輪の中に入っていった。
「あ、ちょっ!ラインハルト・・・!!」
イルーナはいつになく切れ切れな言葉を発しながらも、ラインハルトに連れられて、ダンスホールの中心に向かっていた。ラインハルトの手が彼女の腰に伸び、もう片方の手が彼女の右手を握った。
「私もあまりダンスは得意ではありませんが・・・・。」
ラインハルトはそう言ったが、彼は素晴らしく上手かった。少なくともこういったことをあまり経験しないイルーナからすれば文句なしの相手だった。二人の周りにはワルツの音色が軽やかにまとわりつき、二人が華麗にステップを踏むたびに、華やかな音色が足元から沸き起こった。演奏しているのはオーケストラとメックリンガーのピアノなのに、まるで二人がワルツを奏でているかのようだと周りに錯覚させるほどピタリと合っていたのである。
演奏が終わり、イルーナをエスコートしながら戻ってくるラインハルトの背後で大きな拍手が沸き起こっていた。
「どうだ、キルヒアイス。」
ラインハルトが少年めいた得意げな顔つきを赤毛の相棒に向けた。
「流石はラインハルト様です。ですが、お相手が上手でいらっしゃったからこそ、上手くいったのではないでしょうか。」
「確かにな、それはある。」
ラインハルトは軽く笑ったが、すぐにイルーナに目を向けた。
「これで、厄落としはできたはずですよ、イルーナ姉上。私たちは前世とやらの事はよく知らない。あなたに何があったのか、お話にならなければそれで結構です。ですが、私たちもまたあなたを支えていきたいと思っていることをお忘れなく。」
いつになく呆然としているイルーナは不意に顔色に生気をよみがえらせると、素早くお礼を言ったかと思うと、自室に戻ると言い残して姿を消してしまった。ラインハルトとキルヒアイスはそれをじっと見送っていた。
「よろしいのですか?ラインハルト様。」
「あぁ。今はイルーナ姉上には一人になられる時間が必要だからな。大丈夫だ、俺はイルーナ姉上を信じている。」
「はい、私もです。」
イルーナは自室で一人ひっそりと泣いていた。声を出さず、ただ涙を流していつ
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