精神の奥底
62 怪物の品格 〜前編〜
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威力は周囲の環境すらも変えてしまう。
現に今、異常気象による熱中症になりかねない炎天下すら、近づく者に凍死をもたらす極寒の冬へと変えてしまった。
その上、使用者の肉体に負担を掛けてしまう。
本来、電波体では無い人間が電波体の力を使って変身した姿が電波人間であり、厳密には普通の電波体とは異なる存在だ。
その負担はスバルとウォーロックで分け合うような形を取っているが、ベースとなるスバルの肉体の方への負担の方が多い。
それに電波体にとっては通常のダメージや体力を削る程度であっても、それが人間にどのような影響を与えるかはまだまだ未知数だ。
ロックマン=スバルとしてもできれば使いたくはなかった。
しかしFM星人を上回るかもしれない脅威を前に使わざるを得なかった。
ゆっくりと膝をつき、呼吸を整える。
体力を奪われると同時に内蔵に響くような苦しさに襲われた。
『逃げてはいなかったはずだ。流石にあのバケモノのこれで…』
「火は?」
『大丈夫だ、消えてる。サイレンの音も聞こえねぇし、近くに一般人もいない』
「ウォーロック?」
『バカヤロー、甘っちょろいお前の考えてることくらいお見通しだ!』
「ありがとう…」
徐々に冷気によって発生した霜が晴れていく。
凍りついた図書館の屋根が氷山のように姿を現し始める。
まるで初日の出でも拝むような気分だった。
同時にナイトメア・テイピアに何を尋ねるかを考え始める。
お前たちは何者なんだ?
何をするつもりなんだ?
街が終わるって何が起こるんだ?
もう1人のロックマンは何者なんだ?
聞きたいことは山のようにある。
だがその一瞬に事は起こった。
「このクソガキめ!!!」
「!?」
何かが砕ける音がしたかと思うと、冷気の霜の中から巨大な拳がロックマンに襲い掛かった。
ロックマンは反射的に身体に鞭を打ち、一歩下がって避ける。
そして次々と襲い掛かってくる拳を交わしながら、後方に向かって飛び上がる。
『アイススラッシュ!!』
左腕から氷の礫を連射して、対象の動きを封じて距離を取る。
ナイトメア・テイピアは仕留められていなかった。
それどころか何かエンジンが入ったかのような更に機敏な動きを見せる。
『嘘だろ…』
「スターフォースビッグバンでも倒せないなんて…何なんだ」
「手加減したのはお前たちだ。オレに確実にトドメを刺そうと思えば出来ただろう?だがお前たちは火を消すを優先して狙いを僅かに外した」
その通りだった。
確かにロックマンはスターフォースビッグバンを直撃させることはしなかった。
それも今回に限った話ではない。
その強大な威力から、直撃させれば変身している人間の命まで奪ってしまう可能性もあるからだ。
直撃させずとも十分に相
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