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IS ーインフィニット・ストラトスー 〜英雄束ねし者〜
12話『転校生』
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バランスで最も短い期間当主となった最も無能な『楯無』の名を持つ者。……更識にとっても一つの黒歴史と言うべきそれがDEM……いや、義父が更識の関係者と関わる事を拒否している理由だ。
手に入れた地位にしがみ付く為に強引に行なった任務……結果的に一人の民間人が巻き込まれた。それが義父の恋人であった女性であり、四季にとっても義母になったかもしれない相手である。
飽く迄今の当主とは関係ないと思っていても、所詮人間は感情の生き物だ。納得できない部分があるのも事実……その結果、更識には関わらない事にしていた訳である。そこに振って湧いた更識の関係者の専用機の開発の話。……当然ながら断る事になった。
こうして“開発コード『トライオン・システム』”と名付けられた闘士ダブルゼータ達をモデルに設計された旧来のISに対する特種支援システムの開発は見送られる事になったわけである。
元々女性にはこの上なく不評になりそうなので、開発は計画段階でお流れになったのだが……。実はこのシステムがDEMと更識の因縁を改善させる事に繋がるのだが、それはまだ少しだけ先の話しだ。
四季が日本政府からの交渉内容を聞かされ……四季の方にも日本政府や学園からもう一度接触があるので注意する様に言われた事を思い出していると、教室の扉が開き千冬が入ってくる。
「諸君おはよう。山田先生、ホームルームの前に転校生の紹介を頼む」
転校生と言う言葉に生徒達が沸き立つ。学園と言う閉鎖空間に対して最も大きな変化を与えてくれる要素でもある。確かに世界各国から多くの留学生を迎えているIS学園とは言え、転校生は滅多に来ない。
そんな中で秋八は喜色を浮べる。その転校生が来るのを知っていて、それを待ち望んでいた様に、だ。
(楽しみにしてたよ……来てくれるのをね)
今まで思い通りにならなかった事態が、やっと思い通りになろうとしている事に心の中で笑みを浮かべる秋八。彼の視線が向いているのは、金色の髪の転校生……。
(セシリアとの接点はなかったけど、やっと新しいモノが手に入る)
まるで欲しかったコレクションが手に入る事を喜ぶように、新しい玩具が手に入るように、彼は心の中で笑みを浮かべた。
「ええとですね、今日はなんと転校生を紹介します! しかも二名です!」
『え!? ええ!!!』
クラス中から歓声が上がる。彼女達の視線が向いているのは金色の髪の転校生へ、だ。もう一人の転校生への関心が薄れるほどにもう一人の与えるインパクトは大きい。
「失礼します」
「…………」
『男性』用の制服を着ているのだから。
「二人とも代表候補生で専用機をお持ちなんですよ〜。皆さん仲良くしてあげてくださいね」
真耶のそんな言葉も生徒の耳に
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