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IS ーインフィニット・ストラトスー 〜英雄束ねし者〜
12話『転校生』
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。……その一つがアレが一種のシールドならば一夏の持つ零落白夜ならば簡単に帰還できていた可能性だ。
 そして、一夏からも報告で聞いていた……あの空間内で零落白夜を使っていた。と。
 幻覚を見せる特種能力で方向感覚を乱していたと推測する事もできるが、同時に幻の怪物から受けた攻撃のダメージが三人のISには存在していた。
 あのISの特種能力が幻の実体化と考えれば辛うじて納得できるが、流石にそこまではISの特種能力とは言え出来ないだろう。本体が幻に潜んで攻撃してきたか、幻で同士討ちさせた結果と考えてもやはり不可解な部分が出来る。

 まるで、一夏達からの報告は科学に基づいた報告では無く……オカルト、ファンタジーの映画を見せられている気分に感じてしまう。

(あれは魔法か何かだったとでも言う気か、私は? バカバカしい、そんな物この世に有る筈が無い)

 直ぐに千冬は己の中に浮かんだ考えを否定する。既にISと言うパワードスーツを纏った上でとは言え、人が空を自由に飛びまわれる時代にそんな物は存在し無い、そう否定する。
 科学は超常の力を否定する、科学の恩恵を受けているからこそ、魔法と言うのは空想だと思考する。それは間違いではない。だが、だからこそ、四季達も銀の円盤を提出したりは出来ないのだ。

(正体不明のIS。パーツを洗おうが製造元も不明。最も強固なコアが戦闘ダメージの破損により解析不可。調査の結果、二種の不明機襲撃事件の首謀者も不明)

 明らかに毛色が違う二種の無人機……間違いなくどちらかに関係しているであろう人物の貌が千冬の頭の中にイメージされている。

(コアの製造、完全無人化による起動、他の人間が作った証拠が無い以上、どちらに関わっているかは分からんが、こんな事が出来るのは、IS開発者『篠ノ之 束』。お前しかいない)

 だが、それは逆に言えば束と同レベルのマネが出来る人間、若しくは組織が何処かに存在していると言う事になる。

(……寧ろ、束よりも此方の方が厄介か)

 世界を変えた天災と同レベルの技術力を持った存在が他に在る……。何より、束以外製造できないとされているISコアを量産できる者が他に居れば、それだけで十分に世界を新たな混乱に導く事ができる。

(学園は何でもかんでも一組に押し付けてくるし、生憎私はお前と遊んでいる時間は無いぞ)

 そう考えながら千冬が視線を落とすのは二組の転入届と手続きの為の書類。そして、控え室を出た千冬は二人の人物と対峙する。

「すまない、またせたな」

 千冬が一瞥するのは二人……

「この時期に転入とは中途半端だが、お前達の成績なら問題ないだろう」

 そう、この時期にIS学園(ここ)へと転校する事になった二人へと。









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