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提督はBarにいる。
■提督のお手軽?イタリアンクッキング〜和風イタリアン編A〜
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うとしたが、そのシェフは皿に盛り付け、味に深みが足りないだろうと粉チーズをウェイターに持たせて運ばせた。

 緊張の一瞬。米兵の機嫌を損ねたらどうなるか解った物ではない。食べ終えた米兵がウェイターを呼ぶ。

「この料理を作ったシェフを呼べ。」

 不味かったのか。作ったシェフは項垂れて米兵の下へと向かう。

「大変美味しかった。仲間にも紹介したいのだが、これは何という料理だ?」

 口の周りをケチャップだらけにして、にこやかにそう語る米兵。そこでシェフは、自分が知っていたイタリアの都市、ナポリから名前を取ってこの料理をナポリタンと名付け、この料理は瞬く間に日本中に広がっていった。やがてナポリタンは喫茶店等の定番メニューとなり、人々に親しまれるようになって今に至る。


「ま、そんな具合で使える物が少ない中、諦めないで美味しい料理を提供しようとしたシェフの思いが、その素朴な味のパスタ料理には籠められてるのさ。」

「……なんでしょうね、そうやってこの料理の出自を聞くと、何だか暖かさを感じるような、そんな不思議な味に感じますね。」

 そう言いながら二口、三口と食べ進めるイタリア。

「まぁ、元々不味い訳ではないし。」

 先程よりも少し頬に赤みが増したローマも食べ進める。少し目も潤んでるか?もしかして意外と涙脆いのか?

「確かにねぇー。どんどん食べてくと、クセになってくる不思議な味〜。」

先程まで苦しそうだったリベも頑張って食べ進めている。そんな3人を微笑ましく見ながら、俺は最後の一品に取り掛かった。
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